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ほととぎす まづ鳴く朝明 いかにせば
ほととぎす まづ鳴く朝明 いかにせば 我が門すぎじ 語り継ぐまで
(巻20-4463)
ほととぎす 懸けつつ君が 松陰に 紐解き放くる 月近づきぬ
(巻20-4464)
右の二首は、二十日に、大伴宿祢家持の興に依りて作りしものなり。
※二十日:河内、難波行幸に従った期間の2月24日から4月17日の間の20日。
したがって、3月20日になる。
ほととぎすが鳴き始める夜明け、どのようにしたら、我が家の門を素通りしないようにできるのだろうか、後々にも語り継ぎたいので(その方法を知りたい)
ほととぎすの鳴き声を気にかけながら、貴方が待つ、松陰で、衣の紐を解き放ちます。月明りも近づいて来ているので。
ほととぎすを最も愛した歌人、大伴家持の最後のほととぎすの歌二首になる。
尚、ほととぎすを詠んだのは64首。
ほぼ余興のような歌で締めくくっているが、その意図は不明。




