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万葉恋歌  作者: 舞夢
1351/1385

同じ月の十一日、左大臣橘卿の、右大弁丹比国人真人の宅に宴せし歌三首

同じ月の十一日、左大臣橘卿の、右大弁丹比国人真人の宅に宴せし歌三首

※同じ月の十一日:天平勝宝七歳(755)5月11日(太陽暦では6月24日頃)

※左大臣橘卿;橘諸兄。

※右大弁丹比国人真人:太政官で、大蔵、宮内、兵部、刑部を受け持つ右弁官の長。二年後に橘奈良麻呂の変に連座し、伊豆に流罪となった。


我がやどに 咲けるなでしこ 賄はせむ ゆめ花散るな いやをちに咲け

                          (巻20-4446)

右の一首は、丹比国人真人の、左大臣を寿ぎし歌。


賄しつつ、君が生ほせる なでしこが 花のみ訪はむ 君ならなくに

                          (巻20-4447)

右の一首は、左大臣の和せし歌


あぢさゐの 八重咲くごとに 八つ代にを いませ我が背子 見つつしのはむ

                          (巻20-4448)

右の一首は、左大臣が、あじさいの花に寄せて詠みし歌。


我が庭に咲くなでしこに、気配りなら何でもいたしましょう。

だから、決して散ってはなりません。

いつまでも、若々しく咲いていて欲しい。


右の一首は、丹比国人真人が、左大臣橘諸兄を褒めたたえた歌。


あなたが、様々な気配りをしながら、大切に育てた。なでしこですが、あなたは、なでしこの花だけに好意をよせる人ではないでしょう。


右の一首は、左大臣が和した歌。


あじさいが、様々な色に咲くように、いつまでもご健勝を願います。

あじさいを見れば、貴方と思って偲ぼうと思います。


右の一首は、左大臣があじさいの花に寄せて詠んだ歌。


左大臣橘諸兄を自宅に呼び、宴会。

出席に感謝する意味で、(しっかりと気を配ってお仕えさせてもらいますので)いつまでもお元気でと、寿ぐ。


左大臣橘諸兄も、客とそて感謝。

あなたは、花だけでなく、いろいろ気を配ってくれると、喜ぶ。


さらに、あじさいも、太陽暦の6月24日で、庭に咲いているのを見て、歓び、今後あじさいを見たら、貴方と想い、偲びますと、喜んで見せる。


二年後に橘奈良麻呂の変に連座し、伊豆に流罪となったことを考えると、丹比国人真人橘家に縁の深い人。

まだ、平和な時期の宴と思うべきか。

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