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ちはやふる 神のみさかに 幣奉り
ちはやふる 神のみさかに 幣奉り 斎ふ命は 母父がため
(巻20-4402)
※神のみさか:長野県下伊那郡阿智村駒場から岐阜県中津川市千旦林を越える神坂峠。(古東山道)
右の一首は、主帳埴科の郡の神人部子忍男。
※埴科の郡:長野県埴科郡から更埴市一帯。
※神人部子忍男:伝未詳。
この恐ろしい神の御坂に幣を捧げて。命の安全を祈りますのは、何よりも、母父の無事に帰って来て欲しいとの願いのためなのです。
大君の 命かしこみ 青雲の とのびく山を 越よて来のかむ
(巻20-4403)
右の一首は、少長谷部笠麻呂。※伝未詳。
大君の命令であるので、恐れ畏み、青雲のたなびく山々を越えて、歩いて来たのです。




