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堀江より 朝潮満ちに 寄るこつみ
独り江水に浮かぶ薦を見、貝の玉の依らざるを怨恨みて作りし歌一首
※江水:堀江の水。
※薦:芥。木屑の類。
堀江より 朝潮満ちに 寄るこつみ 貝にありせば つとにせましを
兵部少輔 大伴家持(巻20-4396)
※こつみ:木屑。
※つと:土産。
独り、堀江の水に浮かび木屑を見て、貝の玉が寄り付かないことを、悔しく感じて作った歌。
堀江を、朝の潮に乗ってさかのぼって来る芥が、貝であったならば、家への土産にも出来るのですが。(そんなものは、ありはしない)




