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竜田山 見つつ超え来し 桜花
独り、竜田山の桜の花を惜しみし歌一首。
大伴家持
竜田山 見つつ超え来し 桜花 散りか過ぎなむ 我が帰るとに
(巻20-4395)
竜田山を、桜の花を見ながら超えて来たのですが、私が戻って帰る頃には、全て散ってしまうような気がしています。
当時、大伴家持は、兵部少輔。
東国から、難波津に集結する防人を迎える業務を担当していた。
なかなか、防人が集まって来なかったのかもしれない。(その一定期間、単身赴任らしい)
そのため、平城京の自宅への帰りの道での、竜田山の桜を断念したのである。




