1325/1385
大君の 命畏み 弓の共
大君の 命畏み 弓の共 さ寝かわたらむ 長けこの夜を
(巻20-4394)
右の一首は、相馬の郡の大伴部子羊。
※相馬の郡:茨城県北相馬郡から千葉県東葛飾郡、印旛郡一帯。
※大伴部子羊:伝未詳。
大君の命令を、恐れ畏み、弓を抱き続けて眠ることになるのでしょうか。
この長い夜を。
どうせ抱いて眠るなら、弓よりは、彼女のほうがいい。
しかし、大君の畏れ多い命令である。(そして拒絶すれば、死罪になる)
でも、やはり、弓などを抱いて眠る夜など、長く続いて欲しくない。
そんな気持ちを素直に詠んだ歌。




