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千葉の野の 児手柏の ほほまれ
千葉の野の 児手柏の ほほまれど あやに愛しみ 置きてたかきぬ
(巻20-4387)
※児手柏の:このてかしはの。子供の手のひらのような、開きかけた柏。
右の一首は、千葉の郡の大田部足人。
※千葉の郡:千葉市、習志野市、八千代市一帯。
※大田部足人:伝未詳。
千葉の野の、児手柏のように、まだ未熟なままの人ですが、とにかく可愛くて仕方がないので、(結局何もしないで、思いを打ち明けずに)、置いて来てしまいました。
やや難解な歌。
あどけない少女に恋心を抱いていたけれど、愛し過ぎて結局告白できず、そのまま防人として、出発して来てしまった、その意味に解した。




