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暁の かはたれ時に 島影
暁の かはたれ時に 島影を 漕ぎにし船の たづき知らずも
(巻20-4384)
※暁のかはたれ時に:「かはたれ時」は「彼が誰であるか、よく見えない時」。夜明けのうす暗い時間帯。
右の一首は、助丁海上郡の海上の国造田口奉直大理。
夜明け時の、薄暗い時に、島陰を漕いで行った船が、どうなったのか。よくわかりません。
自分たちの乗った船より先に、出向して行った防人の乗った船。
おそらく、他国の防人が乗った船、知人などは無い。
それに、行先も全くわからないけれど、気になってしまう。
知らない人たちではあるけれど、無事であって欲しい、そんなことを願ったのかもしれない。




