1315/1385
摂津の国の 海の渚に 船装ひ
摂津の国の 海の渚に 船装ひ 立し出も時に 母が目もがも
(巻20-4383)
右の一首は、塩屋の郡の上丁丈部足人。
※塩屋の郡:栃木県塩屋郡、矢板市。
※上丁丈部足人:伝未詳。
摂津の国の海の渚で、とうとう船の準備も終わり、出航する時になりました。
(無理とは思いますが)この出航する時に、愛しい母さんに一目でも逢いたいと思うのです。
若い防人だろうか。
いよいよ出航する時に、緊張や不安もあるらしい。
母に逢いたくなってしまった、そんな心境を詠む。




