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松の木の 並たる見れば 家人の
松の木の 並たる見れば 家人の 我を見送ると 立たりしもころ
(巻20-4375)
※立たりしもころ:「立たり」は「立てり」の東国方言。「もころ」は「~のようだ」の古い言葉。
右の一首は、火長物部真島。※伝未詳。
松の木が、並木となって並んでいるのを見ると、故郷の人々が、私を見送ろうと、立ち並んでいるような感じがします。
松並木を歩きながら、「松」の音に「待つ」を感じ、立ち並ぶ様子に、故郷の人々が立ち並んで、自分を見送った様子を思い出す、そんな素直な歌。




