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押し照るや 難波の津より
押し照るや 難波の津より 船装ひ 我れは漕ぎぬと 妹に告ぎこそ
(巻20-4365)
※押し照る:難波にかかる枕詞。
常陸指し 行かむ雁もが 我が恋を 記して付けて 妹に知らせむ
(巻20-4366)
右の二首は、信太郡の物部道足。
※信太郡:茨城県竜ケ崎市と稲敷市東部一帯。
難波の津から、船出の準備を整え、私は漕ぎ出していくと、(故郷で待つ)愛しい妻に伝えて欲しい。
常陸を目指して、飛んでいく雁がいればよいのですが。
いれば、私の恋心を記して、雁に託して(故郷で待つ)愛しい妻に知らせることができるのですが。




