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家にして 恋ひつつあらずは 汝が佩ける
家にして 恋ひつつあらずは 汝が佩ける 大刀になりても 斎ひてしかも
(巻20-4347)
右の一首は国造丁日下部使主三中の父の歌。
家に残って、お前のことを心配しているよりは、お前が身につけた太刀になって、お前の身を守ってやりたい。
国造丁日下部使主三中の父が詠んだ歌。
上総出身の防人。
父が詠んだのは、防人歌の中で残るのは、この一首のみ。
やはり、息子を送り出すのは、父としても不安が尽きない。
ならば、息子の太刀に変化してでも、守りたい、その本音を詠む。




