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父母え 斎ひて待たね 筑紫なる
父母え 斎ひて待たね 筑紫なる 水漬く白玉 取りて来るまでに
(巻20-4340)
※水漬く白玉:海に沈む真珠。
右の一首は川原虫麻呂※伝未詳。
父さまと母さまは、神様に祈願をしながらお待ちください。
筑紫という海の底に沈んでいる白玉(真珠)を取って、持ち帰るまでは。
明るい性格の人だろうか。
辛い任務にめげずに、筑紫から土産として、真珠を取って、持って帰って来ると言うのだから。
尚、行先の物を土産として持ち帰る行為は、その土地の霊魂を付着して(守り神として)無事に帰着するという、呪術的な意味があるとされた。
これは、現代人の私たちでも、感覚的に理解しやすいと思う。




