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十月二十二日。左大弁紀飯麻呂朝臣の家に於て宴せし歌三首(1)
十月二十二日、左大弁紀飯麻呂朝臣の家に於て宴せし歌三首
※十月二十二日、左大弁紀飯麻呂朝臣の家に於て宴:天平勝宝三年(751)八月、家持が少納言として帰京後、最初の酒宴。
手束弓 手に取り持ちて 朝猟に 君は立たしぬ 棚倉の野に
(巻19-4257)
※君:聖武天皇。
※棚倉の野:京都府相楽郡山城町付近の野。
右の一首は、治部卿船王伝承す。久邇の京都の時の歌。未だ作主詳らか
ならず。
手束弓を手にしっかりと持ち、帝は棚倉の野で、朝狩りのために、立派にお立ちになっておられます。
久邇の京の時の歌ではあるが、宴会が10月であり、狩猟の季節。それを意識して治部卿船王が謡ったものと思われる。




