姑大伴氏坂上郎女の、越中国守大伴宿祢家持に来贈せし歌二首
姑大伴氏坂上郎女の、越中国守大伴宿祢家持に莱贈せし歌二首
常人の 恋ふといふよりは 余りにて 我はしぬべく なりにたらずや
(巻18-4080)
片思を 馬にふつまに 負ほせ持て 越辺に遣らば 人かたはむかも
(巻18-4081)
※馬にふつまに:「ふつまに」はどっさりの意味。
※人かたはむかも:手伝ってくれるのでしょうかね
世間の人が恋しいと言うなんて、比べ物にならないほどに貴方のことを恋しく思っているのですよ、だから、それが苦しくて、もう、息も絶え絶えですよ。
この片思いを、馬の背にどっさりと積んで、越の国の方まで送りますよ、あなた、その荷をおろすのを手伝ってくれるでしょうね。
姑でもあり、大伴家の刀自でもある坂上郎女が、甥であり、婿でもある大伴家持のに贈った歌。
さすが、万葉集中でも、いや日本史上でも、出色の歌人と思う。(大伴家持の歌の師匠でもあった)(大伴家持の歌と比べても、数段面白みもあふれている)
遠く越中にいる家持を思い、元気づけたかったのだと思う。
それが、二首にあふれている。




