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越中国守大伴宿祢家持の報贈せし歌四首(2)
嘱目して思ひを発ししに答へ、兼ねて選任せし旧宅西北隅の桜樹を詠みて云ひき
我が背子が 古き垣内の 桜花 いまだ含めり 一目見に来ね
(巻18-4077)
「目についた物に寄せて思いを起こした歌」に応えて、あわせて転任した元の屋敷の西北隅の桜の木を詠んだ。
貴方の古いお屋敷の桜の花は、まだつぼみのままです。一目でも見に来てください。
旧宅の桜木が、つぼみのまま。
一緒に見たいから、来て欲しいとの意味。
かつては、一緒に見た、楽しい思い出があるらしい。




