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乎布(をふ)の崎 漕ぎた廻り ひねもすに
乎布の崎 漕ぎた廻り ひねもすに 見とも飽くべき 浦にあらなくに
(巻18-4038)
※乎布の崎:布勢の水海の東南部。
右の一首は、守大伴宿祢家持。
乎布の崎については、その崎を漕いで回ってみると、とても一日かけても見飽きるような浦ではないのです。
家持が、前歌で、田辺史福麻呂が、布施の水海全体を期待するような詠み方をしたことに対して、その布勢の水海の中の東南部の地名を、出して、その場所に「是非、行きましょう」と誘う歌。
その土地の「守」として、より優れた「景勝の地」を限定し、勧め、かつ「自慢」したかったようだ。




