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時に明くる日将に布勢の水海に遊覧せむことを期りすなわち懐を述べて各作りし歌(1)
時に明くる日将に布勢の水海に遊覧せむことを期りすなわち懐を述べて各作りし歌
いかにある 布勢の浦ぞも ここだくに 君が見せむと 我を留むる
(巻18-4036)
右の一首は、田辺史福麻呂
その時に、明日は布勢の水海を遊覧しようと約束して、おのおのが、思いを述べて作った歌。
さて、どのようなところなのでしょうか 布勢の浦とは、あなたほどの御方が熱心にも見せたいと、私を引き留めようとするのですから。
家持は、田辺福麻呂の出発(おそらく都)を引き留めて、明日は布勢の海を見せようと誘った。
田辺福麻呂も、その家持の好意に応えたのである。




