表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
万葉恋歌  作者: 舞夢
119/1385

柿本人麻呂 玉衣の

玉衣の さゐさゐしづみ 家の妹に 物言わず来にて 思ひかねつも

                       (巻4-503)

玉衣がさわさわとしなだれるように美しく、そして、愛する妻と言葉をかわすこともなく、出て来てしまった。

それが、どうにも気にかかる。


玉衣は、庶民の着る麻衣ではなく、高価な絹の衣。

さやさやと衣ずれの音も美しく、手に取ればしなやかに沈む。

麻衣では、ゴワゴワとして、とても沈むなどという実感は得られない。

人麻呂氏は、本当に大切に、そして美しいと思っていた家の愛する妻と、帝の行幸のお供、あるいは何らかの事情があって、言葉を交わすことができない状態で、別れて出て来てしまったのだと思う。

「本当は、何か一言でも、言葉を交わしたかったなあ」との心理に、今度は自分が沈み込んでしまう。

実は、気の進まない出張でもあったのだろうか、そんな出張などせずに、家に妻といたかったのだろうか。

家の妻は、本当に人麻呂氏に、しなだれかかって抱きついたのかもしれない。

人麻呂氏にも、何か言えない事情があったのかもしれない。


なかなか、いろんな想像ができる歌で、古来、難解とされているのも、よくわかる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ