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霍公鳥(ほととぎす)を詠む歌二首
霍公鳥を詠む歌二首
橘は 常花にもが ほととぎす 棲むと来鳴かば 聞かぬ日なけむ
(巻17-3909)
玉に貫く 棟を家に 植ゑたらば 山ほととぎす 離れず来むかも
(巻17-3910)
右は四月の二日に、大伴宿祢書持、奈良の宅より兄家持に贈る。
※天平13年(741)4月2日。奈良平城京の大伴宿祢書持が、新都久邇京にいる、兄大伴宿祢家持に贈った。
橘は、一年中咲いている花であればいい、と思うのです。そうであれば、橘と仲良しのホトトギスが棲みつくかのごとくに、いつも来るでしょうし、離れてしまうことなく、その鳴き声を聞かない日もないでしょうから。
薬玉に貫く棟を、我が家の庭に植えたら、山からホトトギスが毎日のように飛んで来るかもしれません。
聖武天皇の弱気とか、様々な事情で都が移ってしまった。
残された人は、やはり寂しい。
直接寂しいとは言えない(すぐに謀反と言われるから)ホトトギスや橘にその意を託す、(離れてたくない)の意味が、両歌に込められている。




