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万葉恋歌  作者: 舞夢
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由縁ある雑歌(25)

飯食めど  うまくもあらず  行き行けど  安くもあらず  あかねさす  君が心し 忘れかねつも

                             (巻16-3857)

右の歌一首は、伝へて云はく

佐為王(さゐのおほきみ)に近習の(まかたち)あり。時に、宿直に(いとま)あらずして、夫君に遇ひ難く、感情(おもひ)馳せ結ばれ、係恋けいれん(まこと)に深し。ここに當宿(とのゐ)の夜、夢の(うち)に相見て、驚き()()(むだ)くに、()の手に()れるはなし。(すなは)哽咽(むせ)歔欷(なげ)きて、高き聲に此の歌を吟詠(うた)へり。因りて(おほきみ)聞きて(かな)しび(いた)みて、永く侍宿(とのゐ)(ゆる)しき」といへり。


食事をしても、美味しくも何ともありません。あちこちを歩いてみても、心は全く晴れません。(家で待つ)あなたの寂しい気持ちを思うと。


右の歌は伝承によると、

佐為王(さゐのおほきみ)の屋敷で、召し使っている娘がいた。ある時、昼夜の区別なく、勤務が続くことがあった。当然、その夫には逢うことは難しかった。彼女は夫のことを思い、気持ちは沈むばかりで、恋しさはつのるばかりだった。そんな日々が続き、ついに宿直の夜に、夢の中で愛する夫の姿を見た。驚いて、手探りで抱きつこうとしたけれど、手に触れる物はない。

そこで、娘は我慢に耐えかねて、泣きじゃくり、声を高く張り上げて、この歌を詠んだ。その歌を聞いた王は、さすがにあわれに思い、以後は夜勤を免除した」とのことである。

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