エピローグ
初めや説明が少し長ったらしいかもしれません。
この世界には、妖精の力を一部分だけ使うことができる「加護」が存在する。加護の力は約500年ほど前に人の王、テルヴァレス・クルールと妖精の王、ペルリエットの契約により、人間界と妖精の住む世界が互いに未来永劫協力し合い、助け合うことが定められた。
妖精は人間に加護を与え、人間は妖精の力の源となる穀物などの供物や信仰心を与える。これが契約の条件であった。
表向きは、両族の繁栄を進めるためだが、実際は人間と妖精の生活を脅かす悪魔に対応するためであった。
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アンプラート家は、フェルリア王国の有名な貴族の一族であった。
テルフェラウス・アンプラートは長く続いていた悪魔との争い(悪魔vs妖精と人間の争い)終結させた五大英雄の1人だった。
彼はこの争いの後、妖精の妻を娶り、3人の子を授かった。
彼の子供は、長男のレヴィト・アンプラート、次男のテルフェト・アンプラートそして、長女のソプレア・アンプラートであった。
妖精の血が濃かったのはテルフェトとソプレアだった。
テルフェトは武器を、槍を司る妖精の力を持っている半妖だった。その力は同じく武器を、鎚を司る妖精、ルメラフォトと1、2を争うほどであった。
ソプレアは聖女のような癒しの歌の力を持つ半妖(妖精と人のハーフ)だった。その歌の力は、歴代の歌の力を上回るほど強かった。
長男のレヴィトは、人間の血が濃かった。テルフェトやソプレアのように妖精の力を一切持たずに生まれてきた。だが彼は幼いながらにとても賢かった。父母共にレヴィトは叡智を司る妖精の力があると思い込むほどだった。
レヴィトに妖精の力がないとわかったのは、トルレルトという治癒(治癒という言葉では合わない気がする)を司る妖精が、
「この子は聡明だけど、妖精の血よりも人間の血の方が濃いね。」
と言ったことだった。
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ここで加護について軽く説明をするとしよう。ここで説明をしなかったら、後々面倒臭いことになるかもしれない。
人間は10歳になった時、洗礼堂という洗礼を受けるための簡単に行ってしまえば教会のようなところで、妖精の加護を受けなければならないと定められている。
これは500年前に人と妖精の王によって決められたもので、王族や貴族、平民も加護を受け取らなければならない。
妖精も、一人(匹)につき一人の人間に加護を与えなくてはならないと決まっている。
基本的には一人につき一人(一匹)の妖精が人に加護を与える。ごく稀に何個か加護をもらうものはいるが、基本的には一つ。加護を与える妖精は一族や家族全員同じだったり、違ったりと、その時の妖精の気分によって変わる。
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レヴィトはテルフェトやソプレアのように力がないため、いくら半妖であっても洗礼を受けなければならない。己の身を悪魔から守るために。
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とある日、馬車の中で5歳ほどの愛くるしい水色の瞳をした、女の子が、目の前にいる薄緑の瞳をしたおとなしそうな男の子に
「もし誰もヴィン兄に加護をあげようとしなかったら、私が加護をあげてもいいわよ?」
と言った。するとヴィン兄と呼ばれた男の子の隣に座っていた綺麗な黄色の瞳をした男の子がため息をして
「ソプレア、力をちゃんと扱えるようにしてから言えよ。お前ただでさえ力強いんだから。」
と言った。
薄紫の瞳の男の子が、
「ソアー、ありがとう。でも、テルフェトの言う通りちゃんと力を使えるようになってから加護をあげれるようになるんだよ。テルフェトもちゃんと力を使えるように頑張るんだよ。」
と優しくなだめる。
女の子、ソプレアが
「ヴィン兄の加護はうんと綺麗で、うんとすごい加護がいいの!」
と前のめりになって言う。
「アンプラート家の長男、レヴィトはすごいんだってみんなに知らしめないと」
「うん、そうだねソアー。でも妖精も人もちゃんと決まり事は守らないといけないよ。」
レヴィトが落ち着けるようにソプレアに言う。
「僕だって、ヴィン兄に加護をあげたいのに、、、。」
そうテルフェトが誰にも聞こえないような声で言う。
「テルアもありがとう。」
レヴィトはそう言いながらテルフェトの頭を撫でる。
それを見たソプレアが
「ずるい、テルアだけ。私も撫でて!」
そう言った。
レヴィトは柔らかな笑みを浮かべて、ソプレアの頭を撫でた。
気に入っていただけたら幸いです。




