67 ホモ疑惑
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名前 ユウナギ
種族 人族:人
性別 男
スキル
エクストラ
【視力強化】【味覚強化】
ノーマル
【警戒】【並列思考】【痛覚軽減】【剣術】【隠密】【弓術(弱)】【連帯】【指令】【詠唱短縮】【威圧】【思考加速】【盾術(弱)】【危機察知】【回避】【念話】【解体】【探索】
耐性
【睡眠耐性】【酸耐性】
スペル
【精霊魔法(毒)】
【毒弾】【毒槍】
称号 ゴブリンキラー、精霊使い、恐怖の象徴
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これが現在の俺のスキル一覧だ。勿論、【偽り】を使った後のスキル欄だ。
なかなかうまく隠せているんじゃないの?いい感じでしょう。
因みに【探索】は【空間把握】の事だ。やっぱりあった方が便利だし?
「剣も弓も持っていないのに何で【剣術】と【弓術】持ってんだ?」
「・・・」
そうだ、俺両方持ってないわ。人間が使えるだろうなと言うのをチョイスしただけだからそんなん全然考えてなかった。
『馬鹿なの?凄い怪しまれてるけど大丈夫?』
『大丈夫じゃないです』
だからと言ってこのまま何も言わないのは不味すぎる。なんとかしなければ・・・。
「あれだ。そ、その・・・そう!この迷宮に入る前までは【剣術】と【弓術】の訓練もしていたんだがな、かさばって持ってくの面倒と思ったから置いて来たんだ」
と考えて出て来たのはこんな言葉。うん、怪しすぎる。何言ってんだ俺はと言いたい。信じろって言われても俺は信じないね。オルフィス達もジト目で見てきているので信じていないのだろうな。
「それも気になるのだけど私は【恐怖の象徴】の方が気になるわ。魔物ってあまり恐怖するようなんてことはないだろうし・・・」
ナイスです!精霊使いの女性の方(サリアと言う名前らしい)。これくらいなら言っても大丈夫だ。
ただ、何でこんなこと聞いたのかというと、十中八九人間を襲ったのではないかと疑いをかけられているんだろう。言い方に気をつけないとそう捉えられるのは仕方がないかな。
「それは・・・前に組んでいたパーティーの中で俺のホモ疑惑が浮上したんだよ。それで悪乗りしたら男性冒険者が掘られる恐怖に顔を青ざめさせた、と言うのがその称号を獲得した全容だ」
男性冒険者たちがその名も知らぬ冒険者に同情の顔を浮かべる。
一部、あいつ俺と趣味が合いそうだなとか言っている奴がいたがナニが合うんでしょうね?
何のことかさっぱり分からないと言う体で無視しといた。
その後は少し調整をして、攻略を開始することになった。
アルさんは案の定怒りさんに怒られていたが、それから俺を睨んでくるんだけどそれは筋違いだと思う。
それはいいとして、わざわざ三チームを作っておきながら別れることなく一緒に進んでいるのには理由がある。この層には問題があり、その問題の所に向かっているそうだ。
そう、この層である。決して駄洒落のつもりで言ったわけではない。ないったらない。さて、脱線したが、問題があるのはこの層である。最前線の三十二層ではなく。
不思議に思って聞いてみると俺は誤解していたらしい事が分かった。
「三十二層まで進んだやつはもうとっくにリタイアしているぞ」
「そうそう、その人が三十二層までの道のりを教えてくれなかったから私たちは三十一層から攻略しないといけない羽目になってんのよ」
と、いう事らしい。そもそもボスを倒した層ならまだしも、三十二層なんて中途半端な層で転移陣もないのに帰還できるわけがないから、外の世界に三十二層まで攻略されているなんて分かるはずもない。
おそらくその冒険者もここに来る前に見たあの冒険者たちのように、他の挑戦者が三十一層に来る時にボス層に戻って帰還したのだろう。
「だけどその逃げ出した冒険者でも攻略できた層を攻略できていない俺達が三十二層以降も攻略できるのか?」
頭の中に自然と出てきた疑問。弱気になるのはいけないとは思うが、どうしても考えてしまうのだ。まぁ、出来る出来ない関係なく俺は攻略しないといけないのだが。
「その人が攻略した時にはその問題の場所はなかっただろうからな」
「ちょっと待て、何でそんな事が分かるんだ?」
オルクスの言葉は推測の形をしていた。という事は実際にその人から聞いたわけではない。
俺はこいつらと協力するつもりではあるが信用しているわけではない。不自然だと思えることは極力なくしていきたい。こいつらの中に特に危険なスキルを持っているのはいなかったが、【鑑定】の目をごまかせるやつがいて過去を見る事ができるスキルを持っているかもしれない。
『マスター、もっと私を信用してくださいよー』
『・・・【偽装】のこと忘れたわけではないよな』
『もうっこの私がワ、ワスレルワケナイジャナイデスカー。・・・』
・・・ということでその可能性を考えての行動だってのだが
「あーなんていうか・・・その問題はな、層が無いと言うか」
は?と想像だにしなかった答えに呆然とする。
「まあ、そうなるわな。・・・百聞は一見に如かず、だ。もう少しで着くから」
と、それから何メートルか進むとひときわ大きな場所に出た。
「・・・なんだこれ・・・?」
絶句。この迷宮に入って見たこともない光景が広がっていた。
歪な形の縦長の半球、それが天井にくっついている。唯一の面には六方形の穴が無数についており、その穴を何かが出入りしている。
これには見覚えがあった。元の世界、日本でも見たことがある。蜂の巣だ。
だが、ただ大きい蜂の巣があるだけではここまで驚かない。ここまで来る前の層で蜘蛛の巣も見ているので、慣れていると言ったらなんだがこれと言って思うところはない。
それでも驚いたのは、その蜂の巣の周りを見たらわかる。
まるで何重にも層を重ねたミルフィーユに大きな穴をあけたように、俺達の頭上には三十二、三十三層と合計九つの破られた層が。
あの言葉を理解出来ました。うん、これは層がどうとか関係ないよね。
そう思いながらここに来て初めての石の回廊以外のステージに心が躍るのを止められなかった。
やっとダンジョン編で一番書きたかったところが書けました。でもうまく書けなかったような気が・・・。




