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47 汚い

やっと・・・やっとテストが終わる・・・。明後日から修学旅行じゃぁぁぁぁぁ!!!

うーん。一応忠告しといたけどあれ、聞こえてないよね・・・。


 どうしよっかな?別に何かしないといけないわけじゃないけどさ、普通に殴るよねあの勢い。


 で、毒くらうんだよね・・・っ!?


 瞬間、何かが見えるようになった。いや、正確には見えていない。【空間把握】による魔物を感知する能力によってだ。


 今までは見えていなかったが、技量が上がったのか急に見えるようになった。


 分かったのは二匹程度。やっとこの階層の半分の面積が分かるようになったのだけだからまだいるんだろうな・・・。


 形はやはり大紫トカゲのような形で壁にくっついている。向きからしてエイリャを狙っているのが分かる。


 取り敢えずいつでも動けるように【思考加速】を使う。


 この階に来るまでにどんな能力かの検証はしている。簡単に言えば世界が少し遅く感じるというものだった。獲得したばかりで技量が上がってないからぶれて見える程度だがないよりはましだろう。


 「ダーさん、エイリャだけじゃ無理だコレ」

 「確かにそうは思うがあいつが選んだんだ。俺に止める資格は――」

 「相手は最低でも三匹はいるが?」

 「何!?」


 分かんないよな。俺も分かんなかったし。


 「何処にいるんだ?」


 一瞬慌てたようだが、冷静な声が返ってきた。慌てられたら面倒だから助かります。


 「あそことあそこの壁に張り付いてる。見えるか?」

 「・・・見えん」

 「俺もだ」


 おいっ!という言葉が返ってくるが俺も見えてるわけじゃないから仕方ないんだよ。


 「でもいる事は分かるんだよ。気配的な?」

 「根拠がないのにそう言うのかよ」

 「【空間把握】」


 俺の言った言葉で理解してくれたようだ。あぁ・・・、と言ってくる。


 「エイリャが殴った瞬間に行く。ダーさんはあれ見えないだろうからデカ物お願い」

 「一応聞くが、エイリャが殴り倒すというのは考えられないんだな?」


頷いて見せるとダーさんは納得してくれたようだ。


 その直後、エイリャの拳がリザードの腹に炸裂する。


 その瞬間に俺らは走る。もしかしたら、という思いを込めてみてみるがやはりリザードには効いていない様だ。


 その後エイリャは詠唱を開始するが、リザードも馬鹿ではないようで爪で追い打ちを狙う。それはいい。やはり毒をくらったのか動きは鈍いが避けられないことはないだろうから。


 問題は周りの奴らだ。分かるもののうちのエイリャの死角にいたほうの奴から何かが伸びてくる。結構早い。先ほどの冒険者たちはこれでやられたんだろうね。


 でも見えてりゃくらわないんだよ。


 それを手で掴む。冒険者たちの状態から毒が含まれていることは分かっているので手のひらの内側に【鱗片】で鱗を生やして。


 ぎゅむ


 それはそんな音を立てる。掴んだ力で形が変わって出た音だろうことはすぐわかるんだけどね、生暖かいしちょっとねちょねちょしてる。うん、これはあれですね。


 舌掴んじゃったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!キモッ!キモいって!ヤバイ吐きそう。


 そこでエイリャが目を見開いた。


 「ダータイト?ユウナギ?」

 「やっぱ負けそうじゃねーか」


 うわっダーさん美味しいところとってきやがった。俺もやればいい?それどころじゃないんだよねもう涙出て来た。


 「もうっ汚いわねっ!凪、もうその手で触らないでよね」


 何故だろうパルの声がほんとに毒舌に聞こえる。


 「ダータイト・・・それよりユウナギの持ってるのって何?」

 「知ら「しただってー」舌、らしい・・・」

 「え?」


 ソラ―――っ!!


 やめて見ないで。そんな憐れむような目と気持ち悪いものを見るような目で見ないで・・・どんな目だよ。


 しかもソラには悪気ないし。


 「・・・」


 もう思い切って無言でコレを振り回すことにした。


 中心部に来たことで他のコレも見えてるので、ソレやリザードにあてながら振り回す。


 ぶつかった奴らの姿がだんだん見えるようになっていく。大紫トカゲを少し小柄にして黒っぽい紫色にした感じだ。


全部に当たったところでそれを放り投げる。ぶつかった奴らと絡まって壁に大きなクレーターを作った。


 「っち!外れたか」

 「何を狙ってやったか言ってもらっていいかしら!?」

 「【鑑定(かんていさん)】よろ」

 「無視しないで!」


 パル意外に誰がいると思ってんでしょうね。


 『アサシントカゲ、Eランクだって。特殊進化系っぽいね。気配を消す、又は見えなくなるスキルを獲得することで進化できるみたい。後マスター汚い』

 『お前もたまに毒吐くよな』


 不可視化できるスキルか欲しいな。


 「なぎってきたないの―?」

 「ええ、ものすごくね。だから触ったらだめよ」

 「ちょっと黙ってようかパル」


 「ユウナギ、手はちゃんと洗うんだよ」

 「まぁ、うん、頑張れよ」


 エイリャもダーさんもひどいよね。


 「おい、あいつら消えたぞ」


 また不可視になるスキルでも使ったのか姿は見えない。だが【空間把握】のおかげで俺にはわかる。見えなくなっただけで動いてはいない。移動したと見せかけて居場所を曖昧にするためか、単純にダメージがひどくて動けないのか。


 どちらにしても話すだけの余裕はありそうだな。


 「で、エイリャはまだ一人で戦うのかな?」と意地悪に言ってみる。


 「・・・私ひとりじゃやっぱり無理だった。死んでもいいと思っていたけどやっぱり嫌なの、死にたくない。ごめんね、力を貸して」


 「最初っからそうしてればよかったんだよ」

 「最初っから助けるつもりだった人の台詞じゃないな」

 「助けるって言ったのはお前だろ」

 「そんなん知らん」

 「つんでれ?」

 「男のツンデレは需要無いからやめといたほうがいいわよ」


みんなで笑い合う。そこに魔物がいるのにいい気なもんだな。


 「じゃ、作戦会議といきますか」

 「話し合うまでもなくない?」

 「アサシントカゲはユウナギ、ポイズンスケイルリザードは俺達これで決まりだろ」

 「私たち見えないもんねー」


 二人で大丈夫なのかよ。Dランク三人でやるやつだぞ。俺も人のこと言えないが。


 「終わったら助けに行くからな」

 「私たちの台詞だし」


 一応俺が助けたんだけどね。


 アサシントカゲが移動し始めた。準備は万端らしい。


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