43 開けゴマ!
十一層はやはり石の迷路。あまり期待してなかったから別に良いけど。
みんなの秘密が分かったので信頼度が上がった。
なのでここに来る前に所持しているスキルなどはあらかた話し合っていた。オリジナルはさすがに言わなかったけど。敵になる可能性は低いと思うけど情報って大事だし。
その結果移動時の先頭は俺になった。理由は【空間把握】で魔物が出てもすぐわかるし、道も任せられるから。
俺の労働力がパナイ件。・・・そこまで多くないか。
魔物を見つけた場合はまず【固化】で作った刀で斬るか、ダーさんが斬るかする。流れた血を俺が【操作】で動かし、【悪魔吸血】を使う。その間に空いている人が倒す。
集団なら連携など無視して各個人個人で倒す。
集団でここに来た場合はなおさら連携をとるのが普通だろうが、はっきり言って邪魔に思うときがあるのでこっちの方が楽なのだ。
【悪魔吸血】で獲得するスキルも減るが、そこまでして欲しいわけでもないのでこの戦法でやっている。
十一層で出て来たのは今まで出て来たゴブリン類、ポイズンスパイダーという蜘蛛、そしてその進化系であろうベノムスパイダーくらいだった。
糸を使った搦め手や【毒牙】による毒攻撃を主体とした魔物だったろうがあいにく、【空間把握】によって一は分かっていたので奇襲できないし、罠を張る暇もない。てか罠があったとしてもそれも【空間把握】で感知できるので意味はない。
十二層はアント、ポイズンアント。アリの魔物で【毒牙】を主武器とした連中。更に【連携】を持っており、集団としてしか行動しない。
そしてその集団の数が異常。少なくても十五匹くらいで行動しており、Fランクであるポイズンアントが半分を占めいている時もある。だが所詮Fランク。Dランク二人に推定Dランクが一人。過剰戦力といっても十分なほどだ。
そんなこんなで十七層までは簡単に攻略できてた。
十七層からはEランクの魔物も出てくるようになったのだ。
三人ともEランクのは一人で勝てるが、その他にも魔物がいたりするので、一人はそれを対処する。となると二人で戦う事になる。
もちろん二人でも勝てる。だがそれが続くとどうしても疲労が溜まり、動きが鈍くなる。休憩は今までもしていたが、短い時間だったしあまりとろうとも思っていなかった。
それが多くなると当然ペースも落ちる。
半血鬼に進化したからか体力が上がり、そこまで披露しなかったが、エイリャ達は必要なようだ。
吸血鬼の力を思う存分使えるようになったというのも大きいかもしれない。
それでも、先ほど言ったように少々過剰戦力気味なので最小限のダメージで十九層階段前に着く事ができた。
因みに十七層ではゴブリンキングが、十八層では双頭毒蛇、十九層ではべノンアルマジロという無駄に防御力の高い魔物がEランクだった。
その中で一番苦戦したのは意外にもゴブリンキングだ。
ゴブリンキングは一匹しか見つけられなかったが、どうやら普通のゴブリンキングとは異なるらしい。ユニーク個体という奴だそうだ。
【鑑定】では残念ながらスキルは見れないし、【悪魔吸血】ではスキルは獲得できなかったのでどんな能力かは謎だ。配下の強化だろうと思うのだが。
ユニーク個体は何百何前年に一匹くらい生まれるそうなので一応注意は必要だろうがこの階層より上は流石にないでしょう。
これがフラグにならないことを祈るばかりである。
ま、二十層まで来たことでやはりスキルも多く獲得できたので結構強くなったつもりだ。
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ヒヅキ ナギ(緋月凪)
種族 半血鬼:鬼、人
スキル
オリジナル
【悪魔吸血】【超幸運】
エクストラ
【視力強化】【鑑定】【血液支配】
ノーマル
【毒刃】【警戒】【並列思考】【再生】【剣術】【毒牙】【隠密】【側面固定】【弱毒舌】【毒霧】【麻痺毒吐息】【予知夢】【脆糸】【弓術(弱)】【掘土】【連帯】【指令】【詠唱短縮】【鱗片】
固有
【血液凝固】【蝙蝠化】【眷族召喚】
耐性
【直射日光無効】【睡眠耐性】
スペル
【精霊魔法(空間)】
【空間把握】【異次元収納】
【精霊魔法(毒)】
【毒弾】
称号 勇者の連れ、陽光無視吸血鬼、ゴブリンキラー、精霊使い、多重契約者
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スキルは今こんな感じになっていた。幾つか技量が上がって進化もした。
次の層はエイリャ達の目的のボスがいる。Dランクだが三人いるから頑張れば勝てなくもないだろう。
「言い忘れていたけれど次のボスは私がやる」
扉の前まで来るとエイリャがそう言ったが、そうなるだろうなとは予想していたので俺はそこまで驚かなかった。
「エイリャ、次の階層のボスはDランク。一人では無理だ」
ダーさんもこうなると予想していたのだろう。動揺もせずそう言う。
「そうだね私では無理だろうね。でもね、彼奴の前でそれを言ったのは私。その私が他の人を使って解放されて・・・胸張って自由になれるわけがない。私一人で倒す」
「!・・・」
ダーさんは何も言い返せない様だ。ま、言い返したとしてもユウナギはいいのに私はダメなの・とか言われればどうする事も出来ないしな。
「・・・分かった」
ダーさんは短くそう言うが、危険になったら飛び出しそうだな。
『私達空気じゃない?』
『空気は空気なりに空気を読みましょうじゃないか』
『空気って事に否定の言葉が欲しかったのだけど・・・』
良いじゃないか空気。空気という事はさっきの『一人で倒す』って会話に参加していなかったことになる。
つまり先に約束は俺には適用されないという事。もし俺が途中助けに入ったとしても怒られる理由はない。
そして、本来なら階段があるだろうところを見る。おかしなことに扉があり、その扉は階段を隠していた。
【空間把握】を使っていたのでこの奥に階段があるのは分かっている。問題はこの扉はどうやったら開くのかという事だ。
十層の時はこんなものなかったから二十層もそうだと思っていたのだがそうではないらしい。
エイリャとダーさんはここに着いてすぐ討論を始めたのでこの扉についてはまだ触れていない。
てか明らかに無視してるからもしかしたらそれほど重要なものじゃないのかもね。簡単に開くのかも。
そうと決まれば開けないではないね。いざ未開の地へみたいな感じでワクワクする。
そういえば扉を開ける時の合図みたいなのもあったな。
「開けゴマ!」
・・・
いくら力入れても開かないんですけど。
「「「「・・・」」」」
やめて!何この子突然叫び出してんだ?みたいな目止めて!
「おい、なんか突然おかしなことし出したけど大丈夫なのか?」
「あの行動って何か意味があるのかな?」
ダーさんもエイリャも声を潜めて言っているのだけど聞こえてるから。やめてみないで消えたい。
「あはははっ。ヤバイお腹いったい!」
パルは笑い出すし。頭の心配されるよりマシだけど。
「ひらけごま!ひらけごま!」
ソラは真似しだすし。一番空のがダメージ大きいんですけど。
【掘土】で穴掘って入りたい。ダンジョン内は掘れないから無理だけど・・・。




