夕8 それを変態って言うんだよぉぉぉ!
「あ、それ私も気になってたんだよね」
それに対してセフィがそんなことを言う。
お前もか!
「あんたにはやらない」
あげる事確定なんですね。はい。
「二人共なんでそれなんだよ」
「この世界に無い服。異界のもの。つまりシノムラ君が持ってきて、昨日シノムラ君が着ていた服」
「主人殿の匂いがしました」
「俺そんな匂うのかよ!?そして二人共言い方は違ぇけど俺が着てたからってことだろ?変態か!!」
そう、ツグが着たいと言ったのは元の世界の制服、学ランだ。
「私は下心なんてありません!」
あるようにしか見えねぇんだけど!?
「ただ純粋に主人殿に包まれたいというだです!」
「それを変態って言うんだよぉぉぉ!」
と激しくツッコミを入れたつもりだったが、ツグは反省どころか得意げにつるぺたな胸を張っている。
「私は異界の文化に触れたいというだけだよ」
セフィはそう言うが本当なのか疑わしい。
「ただシノムラ君の服を着てみたいという欲望が9割ほど混じっているっていうだけ」
「ほとんどじゃねーか!」
「ゴメン。9割9分9厘だった」
「ほぼ全欲望ですけど!?」
別に貸してやるのは構わなかった。だが、こいつらの考えが分かった今貸してやる気にはなれない。
「そんな理由なら貸さない」
「どうしてもダメですか」
「と言いつつ貸してくれるツンツンデレデレなシノムラ君でした」
「勝手にあらすじつけんな」
貸すけども。
だってこいつらしつこいし。
俺の学ランをもらったツグは嬉しそうで、渡して良かったなとか思ってしまった。こういうところが甘いんだよなぁ、俺。
「うへへ、主人殿の服・・・うへへ」
俺の学ランを宝物のように抱き、ツグがそんなことを口ずさむ。
小動物みたいで可愛い。実際は竜だけど。全然小動物じゃねぇな。
早速ツグが着替え始める
「ってここで裸になるなよ!」
「でもシノムラ君、ここ以外に着替える所なんてあるの?」
セフィが言った通り俺らにはここの個室しか与えられていない。知らない人間が王宮にいるなんて捕まえる対象にならないわけがない。
「というわけでシノムラ君。君も裸になりなさい」
「何でだよ!?」
「ツグちゃんだけ裸を見られるなんて不公平でしょ」
見たくて見たんじゃないんだけど!?
「主人殿を困らせる発言は許しませんよ」
ツグナイス!もっと言ってやれ。
「ツグちゃん、よく考えてみて。私の案に乗ればシノムラ君の裸を見れるんだよ?」
「お前何言ってんだ!?」
「あなたの発言を許可します」
「手のひら返すの早えなオイ!」
「そう来なくっちゃ」
お前ら実はめちゃくちゃ仲良いだろ!?
「ですがあなたに主人殿の裸を晒すのは反対です。目をくり抜くのでじっとしていて下さい」
え?何?違うの?ツグ、目がマジだぞ。
「それは無理。見ないって約束するから」
「なら許します」
そうそうそれでいい。ってんなわけあるか!ちょっと待て、そのじりじりと歩み寄ってくるスタイルが怖いんだって。
「さぁ、覚悟するんだシノムラ君」
「主人殿、はぁはぁ」
怖い怖い怖い。特にツグが!
「俺も見ないから!見ないから許して!」
「最初からそのつもりだったしいいよ」
「えぇっ!?・・・は、はい。そうですよね」
ツグ?本気だっただろお前。
「まぁ、そういうことで私達はあっちに行ってるね」
と言うセフィに背中を押されて部屋を出た。
「終わりました」
「部屋から出る意味あったの!?」
ツグの格好は先ほどの服に学ランを羽織っただけというスタイルだった。
「まぁまぁ、可愛いじゃないの。それっくらい良いじゃん」
お前分かってただろ。
「はぁはぁ・・・主人殿の匂い・・・いい匂い」
ツグは人の目を気にしようか。




