35 イトちゃん
十層に行くまでにスキルカードの確認をする。
ここまでに出て来た魔物よりも強いだろうから多分Eランクの魔物が出てくるだろう。
エイリャやダーさんはDランクだから戦えるだろうが、俺は何ランクか分からない。
自分の戦力を確認することは大事だ。
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ヒヅキ ナギ(緋月 凪)
種族 半吸血鬼:人・鬼
スキル
オリジナル
【悪魔吸血】【超幸運】
エクストラル
【視力強化】
ノーマル
【鑑定】【弱毒刃】【警戒(弱)】【並列思考】【再生】【拳術】【剣術】【弱毒牙】【側面固定】【弱毒舌】【毒霧吐息】【痛覚軽減】【隠密】
固有
【血液凝固】【蝙蝠化】
耐性
【直射日光無効】【睡眠耐性】
スペル
【精霊魔法(空間)】
【空間把握】【異次元収納】
【精霊魔法(毒)】
【毒弾】
称号 【勇者の連れ】【陽光無視吸血鬼】【ゴブリンキラー】【精霊使い】【多重契約者】
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こうやって見ると結構スキルを集めたのが分かる。
で、この中でボス戦に使えるのが十個しかないってゆうね。
まず、オリジナルスキルが戦闘向きじゃないという理由で全滅。【悪魔吸血】はスキル獲得に使えるけど。
【鑑定】役立たず。
【弱毒刃】【剣術】武器がない。
【弱毒舌】は【弱毒牙】の方が早い。
固有も正体がバレるから全滅。
しかも使える中での攻撃系が【拳術】【弱毒牙】【毒霧吐息】【精霊魔法(毒)】。毒はあまり効かないから実質【拳術】だけという状況。
俺詰んでね?あ、詰んでますね。
まさかエイリャ達と行動することにこんなデメリットが出てくるとは。せめて【血液凝固】は使いたかった。
これは早く分かれないとだめだな。
「さて最後の共闘戦だね。張り切って行こうか!」
「その事なんだけど少し頼みがある」
「ん?」
話の腰を折って申し訳ないが仕方ない。
「ボス戦、俺らだけで戦わせてほしい」
このスキルでは勝てないだろうが、エイリャ達の力を借りて勝つのはなんか違う気がする。
「何を考えてるの?」
「勿論勝ったとしても魔石や素材はそちらに譲る。だからやらせてくれないか?」
「何を考えてるのかって聞いているの」
エイリャが少し声を荒げて言う。
「十一層からは分かれて行動する。その時Eランクと戦う事は必ずある。俺は四十層まで行くつもりだ。それ以上の魔物とも戦う。こんなところで負けられない。なら、ここで勝つのも当然でなければいけない」
瞬間、少しの浮遊感。
エイリャが俺の胸ぐらをつかんできたのだ。
え?力強くない?
「Eランク舐めんな。死ぬよ」
Dランク冒険者は一応Eランクにも勝つ事ができる。だが一対一でも死ぬことはある。
俺がやっている事はDランクに対する冒涜だろうな。
でも、俺はやらなければいけない。
「覚悟の上」
「・・・」
エイリャはまだ睨んでくる。それほどのことなのだ。
だからこそ俺もエイリャの顔を見る目を逸らさない。
「エイリャ、もういいだろ。そいつもいろんなことを考えての結論だ」
ふとダーさんがエイリャを諭すようにそんなことを言う。
胸ぐらを掴んでいたエイリャの手の力が緩んでいき、やがて離れる。
「そうだね。君が一人で相手することを認めるよ。魔石も素材も君の好きにしていい」
何という好待遇。ダーさんに感謝しなければ。
「ありがとう。ダーさん」
「別にいい。その代り責任は持て。お前が死にそうになったとしても俺らは助けないからな」
自分からやりたいと言ったのだ。当たり前だろう。
「あとダーさんは止めろ」
「じゃ、ターザン?」
「さんが名前と合体してんじゃねえか」
「じゃ、タッちゃん」
「ちゃんも止めろ。女じゃねぇ」
「じゃ、イトちゃん」
「ちゃん止めろって言ったよな。しかも悪化してんじゃねーか」
「じゃ、ダイト」
「マシだが駄目だ。・・・名前で呼べ」
「ツンデレ・ダータイトだったっけ?」
「名前変わってる!?」
この人もなかなかいいツッコミ。だが弱い。
でもダーさんと話すのって初めてじゃないかな。少しは心開いてくれたのかね。
「じゃソラ、パル、行こっか」
「わかったー」
「Eランクと一人で戦うなんて余程Mなのね」
パルさんなんかそれ使い方違くない?
十層への階段を登る。
10層は直径百メートルくらいの円形の部屋だ。
その中央に座するのは、二つの頭を持つコブラ。
「「シャァァァァァ!!」」
その重なった鳴き声が戦闘開始のゴングのように聞こえた。
凪のスキルカードに【隠密】追加
種族表示の変更
種族 半吸血鬼
→種族 半吸血鬼:人・鬼




