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30 スキル作っちゃった

魔物の群れが居る所に着いた。


今回の魔物はトカゲだ。体表が紫色だが。


「あれは?」


「紫トカゲね」


まんまかよ。


「取り敢えずさっさと潰すか」


一気に飛び出し、手始めに一番近くにいた紫トカゲを噛みちぎる。


「キィィィー」


魔物を倒していると悲鳴とかどうでもよくなってきた。


噛みちぎった肉片から血を絞り出す。


これも毒が入ってるのだろうか。不味い。


噛みちぎったのはその方が無駄がないからだ。【悪魔吸血(デビルバンプ)】の使用判定は血を飲むことだとここまでくる間にいうのは検証済みだ。わざわざ噛みつく必要はない。


シエラの場合は首からという条件があったのでそれを考えると使いやすいスキルだったのだということが分かる。


〈【悪魔吸血(デビルバンプ)】並びに【超幸運】の使用を確認〉


〈スキルの獲得・・・成功しました〉


〈スキル【側面移動】の劣化スキルは存在しませんでした。スキルを製作します〉


??


〈スキル作成に成功しました。スキル【側面固定】を獲得しました〉


スキル作っちゃった。


とか考えてる場合じゃないな。まだ殺しきれてないし。


「【血液凝固】檻」


紫トカゲの嚙み千切られたところから複数の棒状になった血液が出て来て広がる。そして紫トカゲを包むようにそれぞれの先端が繋がっていく。


初めてやったがうまいこと束縛できるように檻が作れた。


この勢いのまま他の4匹も同じようにしていく。





「ふぅ・・・」


全ての紫トカゲを閉じ込めて一息。


獲得できたのは最初の【側面固定】だけだったが満足した。


理由は久しぶりに血を吸う事が出来たのもだが、【側面固定】がなかなかに面白い能力だったのが大きい。


【側面固定】自分の身体の一部を側面に固定する。


そのまんまの説明で凄いのかわからなかったが、これを使うと壁に立てたのだ。


勿論重力というものがある以上体を支えるのは1秒が限界だったが。


ではどこが凄いのか。


タイミングを合わせて左右の足に交互にオンオフを繰り返せば壁を歩けるということだ。


勢いをつけなければ出来ないし、勢いを少しでも殺せば歩けなくなるが。


一通り堪能した後、毒の精霊に解毒してもらう。そのままじゃ段々ダメージくらうからね


「なぁ。なんでお前は解毒してくれたり、【鑑定】で情報を教えてくれたりしてくれるんだ?」


「それは・・・」


これは今までで一番気になっていたことだ。解毒したり【鑑定】したりして一体毒の精霊にどんなメリットがある?


「それはっ・・・は、早く名前が欲しいからあんたに恩を売ろうと」


「名前が欲しければエイリャと契約すればいい話だ」


毒の精霊は一度エイリャの誘いを断っている。名が欲しいだけならエイリャと契約する方が手っ取り早い。


「質問を変えよう。なんでエイリャの誘いを断ったんだ?前に色々あると言っていたが俺にはその色々(・・)が適用されないのか?」


「そ、れは・・・」


毒の精霊が俯いてよだる。


それ程までに言いたくないのか。


「凪は、私にエイリャと契約して欲しいの?」


「別にエイリャと契約して欲しいわけじゃない。ただお前の言っている事はそうすることで解決するんじゃないかと」


「同じだよ!!私が邪魔なんでしょう?だから他の人と契約させようとしてるんでしょう!?もう、もういいよ・・・。そんなに言うならエイリャと契約しに行くから!!」


「え?おい、待っ・・・」


毒の精霊はそう言ってエイリャ達のいる所に飛んで行った。


何なんだよ・・・。


「いっちゃったね」


「・・・」


「ないてたよ」


「・・・」


「いいの?」


「・・・」


ソラの言うことに返す事が出来ない。毒の精霊があんなに取り乱したのは初めてで、何と言ったらいいのか、分からなかった。


ただただ何かやってはダメな事をしてしまったという罪悪感に襲われていた。


「しゃーない。最近ソラさんがマイペースになりましたからね、あいつ以外で俺が満足できるツッコミを誰が出来るんだよ!」


あ、夕がいたわ。


「はは。なぎってつんでれだよね」


そんな言葉どこで覚えたんだよ。まぁいいか。


俺は仕方なく。遺恨ながら。毒の精霊を追いかけるために来た道を戻った。

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