29 やっぱこいつ変だわ
「俺は教えたのにダメなのか」
「ごめん。君は基本的に良い人なんだろうけど、まだ信用できていないっていうか・・・」
エイリャが顔を伏せたので元からフードを被って見えなかったのに、さらに見えなくなった。
「いいよ別に。今会ったばかりの人にそう簡単に打ち明けられる話じゃないってことは分かったし。それに20層まででも一緒に行ってくれるのは嬉しいし」
なんかシリアスっぽくなってきたな。こういうの好きじゃないんだけどな。
「ゴメン」
良いと言っているのに。
言った後の沈黙が辛いから、今まで通りにして欲しいのだが。
沈黙が耐えられないので自然と階段を登る足が速くなる。
4層にいけば何かが変わる様な気がして。
やはり4層も石の迷路。
【空間把握】で魔物を探してみる。
5匹程の群れが2つ。同種族同士の集まりの様だ。
片方は弱毒蛇。もう片方は見た事のないようなヤツ。
Fが出てくるのは5層からという話。
見た事のないヤツの所に俺一人だけで行っても問題ないはずだ。
「なぎー。どっちいく?」
「決まってるだろ」
「そうね。強い方に行ってこっぴどくやられ、快楽を味わる。実に貴方らしいものね」
「毒の精霊って優しいよな」
「はぁ?何言ってんのよ」
毒の精霊があんなことを言ったのはいつもの・・・俺達三人でいた時と同じ様にしようとしたからだろう。
「三人のままの方が良かったかな?」
「三人のままなら間違いなくあなたは死ぬわね」
その通りなので何も言えない。
「でも、私は三人の時の方が気楽で楽しかったわ」
「そらもー」
そう言ってくれるのは嬉しい。
「よし。じゃあ10層くらいまで行ったら別れるか」
「ソラ、三人になった瞬間に襲われないようにしないとだめよ」
「わかったー」
一体誰に襲われるのでしょう。
魔物かな?俺?・・・あ、俺ですね。はい。
「でも最初に襲うとしたら毒の精霊かな」
「ふぇ?!」
毒の精霊弄るの面白いし。ソラとはゆっくり話したいことがあるし。
「そ、そうなの。・・・へーそうなの」
肩の上で嬉しそうにそんな事を言う。余程一番が嬉しいのだろう。こいつ何気に負けず嫌いだからな。
「むー」
ソラは不機嫌そうだ。これでもかというぐらい頬を膨らませているだろう。見てみたかったな。
どうでもいいけどこいつら襲うの意味知ってんだろうか。
そんな事をしているとエイリャ達が追い付いてきた。
「よし四層ださっさと攻略しちゃおう」
エイリャはもう落ち込んでない様だ。階段を登っている間に俺らと同じように何かあったのだろう。
「エイリャ。そこを曲がったところに5匹程度の群れで動いている魔物がいる。俺らは右に行くからエイリャ達は左に行ってくれ」
「え!何考えてるの!危ないよ」
危ないと言ってもGランクくらい5匹いようがあまり変わらない。それに・・・。
「俺もエイリャ達に隠したいことがあるんだ」
「・・・分かった」
エイリャはしぶしぶ納得してくれたようだ。
「行こう二人共」
「わかった」
「いいの?」
「あまり見られたくないからな。そろそろ限界だし」
「何が?」
「血」
「あぁ。吸血鬼かなんかなの?」
「半吸血鬼」
「そう。これからは隠し事なんかしないでよね」
あっさりしすぎじゃないでしょうか。
「血が我慢できないってことは吸血衝動なのね。エイリャ達と合流してから血、吸ってなさそうだし・・・よ、良かったら私の・・・や、やっぱり何でもない」
やっぱこいつ変だわ。
私って何が書きたいんでしょうね?
ちょっと分かんなくなってます。




