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14 えらいこと言い始めたぞこの吸血鬼

「・・・・・え」


目の前には光の粒子が。精霊『ソラ』が。


気づいたら俺はその『ソラ』だったものに手を差し伸べていた。


『ソラ』は俺が差し伸べた手に吸い込まれるようにして消えた。


・・・・・・クソが!


〈精霊『ソラ』との契約を確認〉


は?


〈条件を満たしました。称号【精霊使い】を獲得しました〉


え?え?


〈称号【精霊使い】の効果によりスペル【精霊魔法(空間)】を獲得しました〉


ん?どういうことだ?


「どうしたの?」


俺の様子がおかしい事にきずいたシエラが問いかけてきた。


「精霊が消えて、称号とスペルが・・・」


それだけじゃ分からないだろう。だがこの時の俺は気が動転していて何を言えばいいのか分からなかった。


それでもシエラには何が起こったのか分かったのだろう。


「何?!」


バンッ!


シエラは一瞬にして魔王の威厳を出し、そう荒い声を出して机をたたいた。もちろん店の中なので【威圧】は使っていないし、机をたたくときにも細心の注意をしたのか壊れることはなかった。


他の客の視線が突き刺さる。当然だ。いきなり大声を出し、机をたたいたのだから。


だが、それのおかげで冷静さが戻る。


「ねぇ、消える前何があった?」


『精霊』という言葉を使ってないのは偶然ではない、と考えたほうがいいだろう。つまりこの国では『精霊』という言葉は控えたほうがいいと。


「名前を付けた」


「っち!」


その瞬間怒りが増したような気がした。


「経緯は?」


これは真面目に答えたほうがいいだろう。


「名前をきいたんだ。そしたら無いって。俺につけて欲しいと言ったからつけた。お前がそんな風に聞くってことはやっぱりそれが原因か?」


「はぁ。なら良かった」


と、心底安心したようにつぶやく。


「居場所が分かったのか?」


ときくと「うん」と返ってくる。でも、どこに?と問おうとしたら「場所を移そう」と言い、会計を払いにいった。





店から出てすぐの裏路地。そこで先ほどの話の続きを始める。


「さてまず精霊だけど、今君の中にいるよ」


は?


「まぁ、今は称号とスペルの説明を見るといいよ。そのあとまた詳しく説明をするからさ」


よくわからないが、スキルカードを出して言う通りに見てみる。


【精霊使い】

獲得条件 精霊と契約をする

効果   契約した精霊と同じ属性のスペル【精霊魔法】を獲得できる。また、魔力の回復を早める


【精霊魔法(空間)】精霊と協力し、魔法を使うことが出来る。魔力を使い【精霊召喚】をすることで契約精霊を呼び出すことが出来る。使用可能な魔法は技量により増やすことが可能。

使用可能魔法

 【空間把握】


うん。なんでソラが消えたのかあんま分かんないや。かろうじて分かるのは俺が精霊『ソラ』と契約したという事だけ。


取り敢えず【精霊召喚】やってみようかな。


そう思うと同時に呪文のようなものが頭の中に流れてきた。唱えればいいのかな。


「我、汝の契約者成り。我に名を与えられし精霊、我が呼びかけに答えよ。【精霊召喚】・・・『ソラ』」


自分の何かが抜けたような感覚に陥る。【血液凝固】や【視力強化】の時と同じだ。魔力が消費されたのだろう。ただ、それよりも少し消費量が多かったように感じる。


俺の体から光の粒子が出てくる。それは俺の目の前で集まり始め、やがて小さな少女の形になる。


クリクリとした目に、白い肌。髪はミディアムくらいの長さでスカイブルーの落ち着かせる色合い。背中には二対の羽。


俺が名前を付けた『ソラ』という精霊がそこにいた。わざわざ俺が最初に話しかけたときの言葉を使ってくれたのがなぜかとても嬉しく感じた。


「よし。じゃあ説明を始めまーす」


俺の顔からソラを呼ぶことに成功したと分かったのかシエラはそう切り出した。


そういえばどうしてソラが消えたのか聞いていなかったな。


「まず、その精霊が消えた事についてかな。精霊は契約をしたら、契約者と一体化します」


えらいこと言い始めたぞこの吸血鬼(バカ)


「一体化といっても精霊が契約者の身体の中に入るって言った方が正しいけどね。【精霊召喚】はその精霊を自分の身体から外に出す能力だよ」


なら最初からそう言ってほしかったな。でも契約なんてしたか?


「そら、いつけいやくしたのー?」


ソラもそう思っていたのかそんな質問をする。が、シエラってソラの事が見えないんだよな。それと同様にソラの声も聞こえないから完全に無視しているようにしか俺には見えない。


ソラが無視されて泣きそうになっているので代わりに俺が、ソラがそんな質問をしていることを告げる。


「そもそも精霊には名前なんて無いよ。精霊っていうのは微精霊っていう普通では見えない次元にいる属性の意思が長い年月をかけて自我を持ち、魔力を帯びてできたものだから」


あれ?契約の話だよね?なんか精霊の起源の話になってない?


「だからこそ精霊界では名前持ちは特別な意味を持つんだ。精霊にとって名前を付けてくれた人は親ではなくパートナー。まぁ、簡単に言うと契約は名前を付ける事」


ああ。成程納得。


「因みに契約すれば思うだけで意思疎通ができる。これはどこにいても心がつながっているから体の中にいても、外に居てもやることが可能なんだよ」


『んー。すごい?』


ほんとだ聞こえる。便利だな。


「そして最大の特徴は【精霊魔法】が使える事」


魔法、だと?!

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