13 精霊の胃袋って異空間なのかな
「何か手に乗ったお菓子が目に見えて減っていくのって地味にホラーだよね」
シエラのその言葉でシエラがいた事を思い出した。
餌付けに夢中になって忘れていたらしい。
「・・・ちょうど良かったシエラに聞きたいことがあるんだ」
「ちょっと待って。何今の間!?もしかしなくても忘れてた?」
「・・・ちょうど良かったシエラに聞きたいことがあるんだ」
「無視!?・・・はぁ、分かったよ。何を聞きたいの?」
同じことを繰り返しているとシエラが折れてくれた。「うん。忘れてた」なんて言えないからな。
「言語って大丈夫?普通に話しても通じる?」
そう。俺が聞きたかったのは言語。色々な事を長々と喋っても結局言語が通じなければただの痛い人だ。
「それなら大丈夫だよ。古の言葉に精霊言語ってのがあって精霊はそれを使っているらしいけど、大体の精霊は人族の言語も分かるよ。そうじゃないと契約なんて出来ないもんね」
要は使える使えないでいうと使えると。
OK。それが分かれば大丈夫。
「てゆーかさっき『やほー』って言ってたじゃん。だから人族語も話せるって分かってたと思ってたのに」
「それは精霊に興奮して言語とかそんなの関係ねー。って感じだったから仕方がない」
「冷静に見えて興奮してたんだ・・・」
そんな事を言うシエラはほっといて俺は精霊との対話を楽しむとする。
「俺の言葉分かる?」
「わひゃるー!」
精霊はまだ食べてる最中で聞き取りずらいが多分『分かるー!』だろう。長文だったらこっちが聞き取れないので食べ終わるまで待つことにする。
「だれ?」
こっちも君が誰なのか知りたいのだが。
「俺はナギ」
すぐに答え、今度はこっちが聞こうと思ったが精霊の次の質問の方が早かった。
「なぎはなんでみえるの?」
相手に話の主導権を握られたままだなと思わなくもないが、精霊だし。後で聞けばいいかと後回しにする。
「適正者ってヤツじゃない?」
「でもいままでみえるひといなかったよー?」
「属性何か分かる?」
「くうかんー」
だとするとやっぱり空間の適正者ってほとんどいないって事だよな。
「何属性だって?」
するとシエラが俺の隣にやって来てそうきいてきた。
精霊が怯えるからやめてほしい。これはお灸をすえてやる必要があるな。
「聖だって」
「せ・・・い・・・」
おぉ。みるみるうちに顔が青ざめていく。
「い、いやあああぁぁぁあぁぁあぁ近寄らないで!やめ、やめて。うわあぁぁああぁぁぁ!!」
限界まで青くなったところで勢いよく後ずさりし、泣き始めた。
何?トラウマなの?だとしたらめっちゃ嬉しいんだけど。弱み握ったみたいで。
まぁ。可哀そうだしこれっくらいにしとくか。
「冗談だよ冗談。それにしても今のは面白かったな。トラウマなの?」
すると今度は顔を真っ赤にし始めた。
これも面白いかも。顔の状態変化(色だけ)うん。普通にあり。
「何言ってんの!?ば、ばばば馬鹿じゃない!?ホント馬鹿。冗談は顔だけにしてよ。って何ニヤニヤしてんの!もう!」
いや、こんなの聞いてにやけるなとか無理。多分自分が何言ってんのかまだ分かっていないんだろうな。ケータイないのが悔しすぎる。これ撮って冷静な時に聞かせてみたら・・だめだこれ以上考えたら腹が。
ぐぅー。
・・・・・・俺じゃないからね。俺じゃないからね!精霊だからね。
当の精霊はというと
「おなかすいた!」
だそうだ。マイペースというかなんというか。てかあの精霊の顔をゆうに超えるカルテラはどこ行ったのでしょう。消化早いってレベルじゃないな。
シエラはというと俺が急に固まったので完全に頭に?が浮かんでいる。説明ぐらいしてやるか。
「精霊がお腹すいたって」
「精霊の胃袋って異空間なのかな」
というわけで現在食べ歩き中です。
精霊はあれからというもの焼き鳥に酷似した肉やらスルメの足みたいなものやら色々食ってる。しかもそのどれもが精霊の体長を超える物ばかり。本当に異空間なんじゃないかと疑うレベル。
お金?もちろんシエラさんに任せてある。ゴチんなりました。
で、今はオープンカフェみたいなところでお茶してます。
「そういえば名前は?」
俺はずっと気になっていたことを問う。
「ない」
そっかないのか。じゃあ何て呼べばいいかな?
「なまえつけてー?」
「俺でいいんなら良いけど」
そこまで言われたら仕方ない。何がいいかなー。空間属性だし安直に空でいいか。
「じゃあ『ソラ』で」
刹那。俺が名付けた『ソラ』という精霊は光の粒子になったってしまった。
「・・・・・・・・・え?」




