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12魔王 死因 熱中症(笑)

 「精霊?」


 あの小さい小人が?


 「まぁ、私には見えないから本当にそうなのか分かんないけどさ」


 「何故?」


 「精霊っていうのには各属性があるんだよね。この属性ってのは魔法の属性と同じのなんだよ」


 「火・水・土・風・聖・闇・雷・毒・死霊・精神・治癒・空間ってやつか」


 「ま、魔法はそれ以外にもあるけど」


 そういったのが聞こえたので詳しく聞こうとするとはぐらかされた。


 そういえばなんで今魔法の属性の話をし出したんだ?


 「で、精霊はその属性の適正者にしか見えないっていう不思議な力があるんだよ」


 「なるほど。それが俺に見えてお前に見えない理由か」


 「そうなんだけど、私ほとんどの魔法使えるんだよね。使えないのは聖と・・・空間」


 「ふーん」


 てとてと


 「ちょっと待って。何近づこうとしてるのさ?」


 ガラス細工のところに行こうとしたらシエラに肩を掴まれた。


 「少し世間話でもと」


 「いやいや。何言ってんのさ?私聖属性の精霊とか近づけないんだけど!?」


 「あー。それなら大丈夫だ」


 「は?なんでわかるのさ?」


 シエラは額に汗をめっちゃ流してる。そのうち熱中症でやられるんじゃなかろうか。


 魔王 死因 熱中症(笑)。面白いかもしれない。


 「何でって周りに他にも見えてる奴が居ないっぽいし。それに俺にも口約束とはいえ魔王軍に入ると言ったんだ。そんな俺が聖属性に適性があると思うか?」


 「確かに・・・。てことは君、空間属性に適応してるって事!?」


 「それを今から確かめに行くんだよ」


 そして歩き出したが、今度はシエラは止めなかった。一応納得したようだ。


 さて、流れで来てみたがどうしよう。


 見ると精霊はショウケースに夢中でこちらに気づいてないようだ。


 とりあえず突っついてみる。


 ツンツン


 ビクゥ!!


 つついたら驚いたのか一瞬震えて恐る恐るこちらを見てきた。


 面白い反応をしてくれる。必死の笑うの堪える。


 「やほー」


 完全にこちらを向いたところで和まそうと声をかけてみたが、今度は周りをキョロキョロ見出した。


 やばい。にやけそう。


 暫くして周りに人が居なく、俺が声をかけたのが自分だと気づいたらしい。どうすればいいのか一生懸命考えている様もまた面白い。


 やがて何かを閃いたのか自分が立っていたところに倒れ始めた。


 どうやら死んだふりらしい。


 「くっ・・・っ」


 思わず笑い声が漏れてしまった。


 だって死んだふりしてるのにたまにチラッてこっち見てきたりするんだもの。可笑しくて仕方ない。


 だがそれはこの精霊を見える俺だけなので、当然周りからは白い目で見られている。


 シエラなんかは『大丈夫かこいつ?』みたいな顔で見てくる。


 わざとらしくごほんと言って自分を落ち着けさせる。目の前の精霊はまだおかしなことをしているが、そろそろまともなコミュニケーションが取りたい。


 何かないかなとポケットの中を探っていると良いものを見つけた。


 「よし」


 「どうしたの?」


 「餌付けしてみる」


 「は?」


 なんか言ってるがシエラは無視。


 俺はソレを死んだふりしている精霊の前に置く。


 ソレは俺が城で幽閉されていた時に貰ったおやつだ。三食昼寝おやつ付きと言ったのを覚えていてくれたらしい。


 そのおやつはベビーカステラを飴玉くらいの大きさにしたようなもので、カルテラと言うらしい。実はコレ、ウエスタリア王国の名物の一つらしく、霜月さんが袋に沢山詰めて持ってきてくれた。優しい。因みに味は普通にベビーカステラみたいでした。


 精霊はチラッチラッとそれを見て、次に匂いを嗅ぎ始めた。そして死んだふりの状態から素早く起き上がり、カルテラをその小さな口で頬張り出す。


 頬をハムスターのように膨らませながら食べるものだから可笑しくて仕方ない。


 物の数秒としないうちに精霊はカルテラを食べ終わり、まだ満足していないのか俺の方を物欲しそうに見てくる。


 さっきまでとは大違いのその態度にもしかしたらと考えると、今度は手のひらにカルテラを乗せて精霊の前まで持って行く。


 すると精霊は躊躇いもなく手のひらに乗り、カルテラを貪り始めた。


 その光景を見ながら思う。


 あぁ、こいつもチョロイな。

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