023 爆裂トウモコロシ
海の町での数日間は、最高のシーフードBBQと北欧の風を感じる素晴らしい時間だった。
「じゃあな、Jari、リリア! 最高のLoimulohiだったぜ!」
出発の朝、Jariとリリアに手を振った。
Jariは静かに頷き、一本のボトルを俺に差し出した。
「Moi、Ken。お前のBBQ美味かったぞ。……俺の故郷の酒、『Akvavit』だ。持って行け」
「Oh! こいつは嬉しいぜ! じゃあ俺からはJames Bang Rye Whiskeyだ。受け取ってくれ!」
俺が『ガレージ・リンク』で取り寄せたウイスキーのボトルを渡すと、ヤリは少しだけ口角を上げてそれを受け取った。リリアも「またね、Kenさん!」と元気に手を振り返してくれる。
:『ヤリ、渋くていいキャラだったな』
:『アクアヴィットってハーブの効いた強い酒だっけ? 美味そう!』
俺はJariと固い握手を交わし、ランクルに乗り込んだ。
潮風の吹く海の町を背に、次の村を目指してアクセルを踏み込む。
◆◆◆◆◆
町を出て見渡す限りの草原が続く街道を走っていると、道端に場違いなほど背の高い緑色の植物が群生しているのを見つけた。
「Hmm? 何だこんな所にトウモロコシが……」
俺は車を停め、興味本位でその群生に近づいた。カンザスといえば広大なトウモロコシ畑。BBQのサイドメニューにも欠かせない食材だ。
「Ken! それに近づかないで!」
助手席から飛び出してきたエルナが、血相を変えて叫んだ。
「Whoa! どうしたエルナ? ただのトウモロコシだろ? 醤油とバターを塗ってグリルで焼いたら最高だぜ?」
「ただの植物じゃないわ! それは『爆裂トウモコロシ』よ!」
「……爆裂トウモコロシ?」
「そう! 触ると爆発して大きな音を立てるの! しかも、周囲のモンスターを引き寄せる強烈な匂いをばら撒く、とっても厄介な植物なのよ!」
:『地雷トウモロコシwww』
:『異世界の植物クレイジーすぎだろ lmao』
:『ファンタジー名物、初見殺しのトラップ植物』
Mike:『Ken、危うくポップコーンになるところだったな lol』
「Jeez……文字通りの地雷(Mine)ってわけか。どうやって駆除するんだ?」
「私に任せて。……『氷結』!」
エルナが杖を振るうと、冷たい冷気がトウモロコシの群生を包み込んだ。植物の表面が瞬時に凍りつき、ピキピキと音を立てて霜が降りる。
「こうして氷魔法で冷やせば、完全に枯れて爆裂しなくなるわ。これで安全よ」
エルナがドヤ顔で杖を収める。俺は凍りついてカチカチになったトウモロコシをもぎ取り、まじまじと観察した。
「見た目は、完全に普通のトウモロコシだな……。よし、持って行こう」
「ええっ!? 食べる気なの!?」
エルナが信じられないという顔で目を丸くする。
「HAHAHA! 当たり前だろ! 爆裂するってことは、熱を加えれば最高のPopcornになるかもしれないからな! 乾燥させて火にかけりゃ、長旅のお供にピッタリだぜ!」
Dad:『その通りだKen! 爆発するなら弾けさせるまで! BBQMANは食材を無駄にしない!』
Mama:『ポップコーンができたら、ガレージに送ってね! 映画見るときに食べるから!』
:『ママ、異世界の爆発植物を要求してて草』
:『ポップコーン(物理・モンスター誘引効果付き)』
俺は安全になった爆裂トウモコロシを大量に収穫し、ランクルに積み込んだ。
「Alright, Everybody! 新しい食材も手に入ったし、次の村へ急ごうぜ!」
V8エンジンの唸り声と共に、ランクルは再び荒野を力強く駆け抜けていくのだった。
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次回7:00公開予定。




