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完璧淑女の公爵令嬢、普通に卒業しただけなのに“あの令嬢”扱いされ、気づけば“星剣”と呼ばれていました  作者: 玉響すばる


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第63話 色々ございましたわね



 大樹の下。


 柔らかな風が吹いている。


 セリアは一人で座っていた。


 少し離れて、ゴブリンたちが作業をしている。


 さらに奥で、子供たちが遊んでいる。


 穏やかな光景。


「……」


 セリアは空を見上げる。


 枝の間から、光が差し込んでいる。


「……どうしてこうなったのでしょう」


 小さく呟く。


 問い。


 だが。


 深く考えているわけではない。


「……」


 少しだけ考える。


 そして。


「最初は」


 一拍。


「古竜の方でしたわね」


 思い出す。


 森の中。


 大きな存在。


 怖がられていたもの。


「討伐の依頼でしたけれど」


 一拍。


「お話をしてみたら、優しい方でしたわ」


 それが最初。


 難しいことではなかった。


「それから」


 少し微笑む。


「一緒に来てくださいましたわね」


 自然な流れだった。


「……」


 視線が横に移る。


 セレスが少し離れた場所にいる。


 静かに。


「それから」


「お空を飛びたくなって」


 一拍。


「乗せていただきましたわ」


 楽しかった記憶。


 ただ、それだけ。


「その後に」


 少し考える。


「雷がすごかったですわね」


 神域。


 あの場所。


「お会いしたら」


 一拍。


「普通にお話ができましたわ」


 それだけ。


「……」


 小さく笑う。


「神竜様もいらっしゃいましたし」


「人の神様も」


 一拍。


「増えましたわね」


 軽い感想。


 特別ではない。


「……」


 地面に目を落とす。


 ゴブリンたち。


「この方たちも」


 一拍。


「最初は逃げてしまいましたけれど」


「お話ししたら」


「大丈夫でしたわ」


 それだけだった。


「……」


 遠くを見る。


 家。


 人。


 異種族。


「いつの間にか」


 一拍。


「増えておりましたわね」


 理由は考えない。


 事実だけ。


「……」


 少しだけ首を傾げる。


「皆さま、楽しそうですし」


「よろしいのではないかしら」


 結論だった。


 極めて単純。


「……」


 少し考える。


「そういえば」


 一拍。


「王子様もいらっしゃいましたわね」


 思い出す。


 自然に。


「お話ししてみたら」


 一拍。


「普通の方でしたわ」


 評価はそこ。


 変わらない。


「……」


 空を見る。


 枝が揺れる。


 光が差す。


「……色々ございましたわね」


 小さく呟く。


 振り返る。


 思い出として。


 ただ並べる。


 それだけで。


 今になる。


「……」


 立ち上がる。


 何も変わらない。


 これからも。


「次は」


 一拍。


「どちらへ参りましょうか」


 その一言が。


 すべてを示していた。


 その面前には、領民とゴブリンが協力して作った黄金色に輝く麦畑がどこまでも拡がっていた。


ーFin

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