10.後日談 王太子キリーク
(何をしているんだ、あの人達は。)
父も母も、自分にとっては、常にこの国の国王と王妃であり、威厳に満ち、1人息子である自分の教育にも、とても厳しかったのだ。
それがどうした事か。
今では、隙あらばリリアーヌの部屋に突撃して、令嬢教育の邪魔ばかりしている。
これには、王宮に呼び寄せられたマァーサも、呆れている。
(暇なのか!?)
2人のリリアーヌに対する情熱は、それだけではない。
あっという間に、リリアーヌを自分の娘として貴族院に承認させたのだ。
その手腕が恐ろしい。
(もっと他に、重要案件あるだろ。)
正直、父のしたことは、人としてどうなのかと頭を悩ませるが、
(強い酒で酩酊状態のご婦人に対して…×××)
幸い、セリーヌ夫人の病状も回復傾向にあるようだ。元々、王妃への強い罪悪感が、精神を蝕んでいたようだ。
母がずっと謝罪の手紙を送り続けており、その中ではもちろん、リリアーヌの日々の様子も細かく報告されているようだ。
まぁ、謝罪すべきなのは国王であるが…。
しかし、これだけ国王夫妻に溺愛されて、
あれほど可愛らしいのだ。これからリリアーヌには、数多の男どもが群がる未来しか見えない。
(はぁーっ)
ますます、面倒くさいことになりそうだ。
Fin




