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欠落女子と高嶺の花  作者: 古宮ふえ
第二章 私がそこに在る時間
12/12

違和感1

投稿遅くなりましたm(_ _;)m

本当にすみません!!


 昨日は、莉羽が家に帰っていたそうだ。必要なものを一つ忘れていたらしい。雨が激しく、心配だったが、大丈夫だと言ってそのまま行ってしまった。

 案の定、帰ってきたときはびしょ濡れで、すぐに乾かしたおかげで風邪を引くことはなかった。


 ◆◆◆


 この前荷物を取りに行ったときから、その日から莉羽は、何かに感化されたようになった。

 前と同じことをしているのに、まるで前と同じことをしているようには思えないような。

 拭えない感情が、少しずつ私を支配しているように思う。

 このままでいいのか。なんて考えてもときは止まってくれない。いつの間にか、今日は夏祭りだった。

 カレンダーに大きく丸をつけてある。


 私達は浴衣を着ることになっており、私が姉の浴衣、莉羽が私の浴衣を着る。

 なんだか、祭りというものに浮かれているのか、少し髪の毛をおしゃれしようと思い、編み込みハーフアップ――正式な名前はよく分からないが、ハーフアップの横の髪の部分を、編み込みにしただけだ――にしてみた。


 莉羽も朝から、いつにもまして気が入っていて、一生懸命髪を括っていた。

 といっても、莉羽はそこまで髪が長いわけではなく、少し髪が肩につくくらいの長さのため、あきらめていた。そして、最終的には、髪を一つの編み込みにして括っていた。


 「ねぇ、悠音ちゃん。私、髪の毛、変じゃない?」

「うん。変じゃない。似合ってるよ」

「そっか。ありがとう!」


 可愛いとは、言わなかった。正直、莉羽が可愛いと言われることを求めているようには見えなかったからだ。

 ただ本当に、変じゃないか知りたいだけなんだと思う。きっと、余計なことは言わないほうがいいだろう。


「夏祭り、楽しみだね。悠音ちゃんは、何したい?」


 相変わらずなテンションで聞いてくる。莉羽は持参したのか、薄い口紅をさっと塗ると私に近づいてきた。


「うーん。私は、別に。あ、でもりんご飴食べたいな」


 りんご飴は、嫌いだ。甘いだけの砂糖とりんごの塊。美味しさはよくわからない。

 でも、りんご飴、と言っておいた方が受けがいいのは確実だ。実際、莉羽もひどく共感している。それに、苦手なものをおいしそうに食べるのは、慣れている。


 本当は、莉羽にこんな馬鹿みたいな嘘をつきたくはない。でも、りんご飴が嫌いと知って距離を置かれるかもしれない。

 そんなことはないに等しい可能性なのに、それを信じれなくて、嘘をつく。莉羽に離れないでほしいのに、嘘をついて。矛盾していて、どこかおかしい。

 すると、それが顔に出ていたようで。「何か面白いことでもあった?」なんて調子で、莉羽が問いかけてきた。どうやら、私は頬を綻ばせていたようだ。

 莉羽に指摘されるまで気づかないなんて、失態だ。人としては、成長かもしれないが。


「ううん。別に。ただ、莉羽とのお祭りが楽しみで、浮かれてるだけだよ」


 私がそう言ってみせると、莉羽は目に見えて喜んでいた。どこか演技めいたものが、脳裏を掠めたが、そんなことはないと邪魔な考えは振り払った。

 少しずつ溜まっていくものに気づかないように。

 私は、今日の夏祭りで何をしようか、必死に考えた。かき氷を食べて、りんご飴を食べて、焼きそばを食べて。金魚すくいとか、莉羽は好きそうだ。でも、やるならスーパーボールすくいだな。

 私は、命を管理できる自信がない。


「ねー、スーパーボールすくいしよう。金魚すくいは、金魚の管理できる自信ないけど、スーパーボールは、箱に入れてれば何とかなるし」

「うん。そうだね。スーパーボールすくいしようか。楽しみだね」


 あえて明るめに振る舞う。楽しいイベントのはずなのに、どこか私が場違いな表情をするのはだめだろう。


 ちなみに、莉羽は青色と紫色を基調としたデザインの浴衣を、私は青色と黒色を基調としたデザインの浴衣を着ていた。


 私は、2足分の下駄を出すと、片方を莉羽に渡す。

 夏祭りの開始前まで残り45分。会場まで30から40分程度かかるので、丁度いいくらいだろう。


「さ、行こうか」

「うん!」


 外に出て、戸締まりを済ませると、莉羽は当たり前のように手をつないできた。

 なんだか、姉と手を繋いでいた頃を思い出して、とても懐かしい。

 街をさっと見ていくと、夏祭りに行く人が多いらしい、浴衣の人がたくさんいた。


「ねー、悠音ちゃんはさ、浴衣どうして2枚持ってるの?」


 その瞬間、私の体内は、大雨警報の時よりも激しい雨が降り注がれた。全身が対応し、脳は一生懸命に指示を出している。

 そして、あと少しで喉から水が漏れる、というとき、脳は答えを見つけた。

 

「あー、秘密。今度教えるよ」


  やましくはないが、姉がここに戻ってくるまで、莉羽に姉について知られたくないという気持ちがあった。

 あがいた割には、単純な答えだったが、私のなかの最適解はこれだ。


 莉羽は「むう」とわざとらしく言いながら、口をとがらせ、頬を膨らませる。

 そこら辺の男ならイチコロだろう。

それくらい、莉羽は美人だ。


 私達は、会場まで他愛ない話をしながら、道を歩む。

 キョッキョッキョッと、ホトトギスが一羽、木から天高く舞っていった。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

ぜひ次話も読んでください!


それから、投稿については、時々1日遅れることがあるかもしれません。

こんな感じの投稿ですが、これからもこの作品を読んでいただけると嬉しいです(^^)

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