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【Ai執筆】最強スキルを授かったのに追放された俺、気づけば世界を救っていた  作者: あぁ


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第38話黒幕の誘いと仲間の誓い


本編――第38話:黒幕の誘いと仲間の誓い


 廃都での戦いから一夜が明けた。

 俺たちはひとまず休息をとるため、近くの宿場町へと身を寄せていた。


 クロウは腕を負傷し、エリスも魔力の消耗が激しい。だが一番気がかりなのは——


「……セレス、大丈夫か?」


 宿の一室で、ベッドに腰かけたセレスは、沈んだ表情のまま窓の外を見ていた。


 彼女は、例の影の男——〈黒の声〉と名乗った存在の言葉を、ずっと反芻しているのだろう。


『歌い手の力は、人を救うものではなく、滅ぼすものだ』

『お前の存在そのものが、世界の均衡を壊す』


 ……あの言葉が、彼女の心に突き刺さっている。


「……わたしがいなければ、こんなことにはならなかったのかも」


 ぽつりとこぼすように呟いたセレスに、俺は即座に否定の言葉を投げた。


「それは違う。セレスがいたから、俺たちはここまで来られたんだ。誰かを救いたいって思う気持ちが……その歌が、道を切り開いてきた」


「でも、そのせいで……多くの人が巻き込まれた……!」


 セレスは俯き、唇を噛んだ。

 その手は小さく震えている。


 俺は彼女の手を握った。クロウも、エリスも、静かに頷いて近づいてくる。


「ひとりで背負うな。お前の歌がある限り、俺たちは前を向ける。たとえそれが呪いでも、運命でも、俺たちで変えてみせる。そう決めたんだ」


 クロウが力強く言い、エリスも言葉を重ねた。


「あなたの歌は、たしかに人を癒やした。わたしは、何度も救われた。だから、信じたいの……!」


 セレスは小さく目を見開き、ゆっくりと頷いた。


「……ありがとう、みんな」


 その瞬間——


「……いい仲間を持ったな」


 窓の外から、不意に声が響いた。

 次の瞬間、黒い羽根が舞い、部屋の中に〈黒の声〉が現れた。


「……貴様!」


 俺が剣に手をかけた瞬間、彼は手を挙げて制した。


「まだ争う気はない。今日の目的はひとつだけだ。——セレス、俺と来い」


 その言葉に、場の空気が一変する。


「断る理由がないだろう? お前が来れば、戦いは終わる。大切な仲間たちも、もう傷つけずに済む」


 黒の声の目が、真剣だった。

 嘘や罠とは思えない、どこか哀しげな瞳で、セレスを見つめている。


「セレス、行くな!」


 俺の声に、セレスは迷いを見せる。


 そして彼女は——


「……答えは、明日出すわ」


 その場で選ばなかった。だが、それは逃げでも保留でもない。

 彼女の中で何かが変わりはじめている証だった。


 そして、俺たちは決めた。

 この物語がどれほど過酷な運命に導かれようと、誰ひとり欠けさせないと。



---


次回:第39話「選択の夜と決戦前夜」

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