第110話 ドラマ
朝からブルーです…
梨絵が風呂から上がり続いて俺が入った。
雪で濡れた冷えきった身体は熱い湯船に浸かると白い肌が赤身を帯びてくる。
元々長風呂ではない俺はすぐに逆上せてきて風呂を出た。
風呂を出ると梨絵がキッチンに立ち料理をしている。
松葉杖をつきながら料理をしているとは思えない程の手際よさは見ていて感心したほどだった。
料理をテーブルなどに運ぶのは手伝ったがそれ以外は全て梨絵が行った。
並べられたのは鶏の唐揚げとサラダなどといった普通の料理だったが、美代子が居なくなってからばぁちゃんの料理しか食べて来なかった俺にとっては新鮮な感じがした。
味も美味く家では滅多に御代わりなどしないのにここでは御代わりした程であった。
食べ終わった食器などの片付けは俺が行い、その間梨絵には休んでもらっている。
梨絵もやると言ったのだが、さすがに松葉杖をついてでは見ていて痛々しい。
この1年家事はばぁちゃん任せだった俺にとって久々の洗いものだった。
食器の片付けが終わり、梨絵が休んでいるリビングに行く。
テレビを見ていた梨絵は俺が来たのが解ったのか、ふと振り返り
「ありがとう」
と短い言葉を発した。
俺は軽く頷き梨絵の隣に座る。
梨絵が見ていたテレビは今人気の恋愛ドラマだった。
普段のこの時間は仕事に追われてる俺はドラマのタイトルは知っていても内容はいまいちよく解らない。
すると梨絵が
「勝弥君は見た事ないかも知れないけど、このドラマは1人の男の子を2人の女の子が取り合うドラマだよ。何処かで聞いたことある話しだね?」
可愛いらしく笑いながら俺に言う。
その言葉に一言も返せない俺はただ苦笑いすることしか出来なかった。
それは俺と美代子と梨絵の事を意味していることなのだから。
でも、美代子が居なくなってからの梨絵は美代子の事を俺との会話の中では出さなかった。
梨絵も何処かで美代子の事を気にしているのだろうか?
そんな事を考えるとまた心がマイナスになってくるので、俺は梨絵に聞いて見た。
「それは美代子を含めた俺達の事を言っているのか?」
俺は横にいる梨絵を見ないで、前に映し出されているドラマを見ながら梨絵に聞いた。




