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孤独を終わらせる花  作者: はな


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現代から

始めましてはなです。小説を書くことは初めてで、読みにくいい箇所等たくさんあると思いますが頭の中の物語を整理しつつ進めていこうと今回筆を取りました。

現代で複雑な壁から逃げたい少女が時代も国も違う場所で、自分とは何か。自分の居場所はどこなのか。自分の軸はどこなのか。どうすれば愛してもらえるのか。中華風の舞台で奮闘する物語です。色々な人物と出会い、周りを巻き込んでしまう少女「温花うぇんふぁ」がどのように進んでいくのか一緒に見ていただけると嬉しいです。

※まだ話をまとめている途中なので細い変更点出る可能性あります。ご了承の上読み進めていただけると嬉しいです。




 「普通」に憧れた少女はどのように生きることが正解なのか分からない――。

 あたしは「普通」の家族に生まれて、「普通」の幸せになりたいと思っていた。誰が普通なんて決めるのかもあたしにはわからないけど、あたしの思い描く「普通」になりたい。


 日本に住んでいる誰もがみたことあるような風景の街に住んでいるそれだけがあたしの「普通」だった。

 将来なりたい職業を親に反対されて諦め、普通に近づくため公務員になる選択をした。意思はそこにあったはずなのに無かったことにいて都合のいいように進む。あたしが強く思うことってなんなんだろう。


 幼少期に住んでいた祖父母の家は荒れに荒れて。両親と普通の生活が送れると思っていたけど父もまた暴力、恐怖での支配を始めた。母親も精神状態が安定していることが少なく子どものような大人だった。いつも両親の機嫌を伺って「なんでもできるお姉ちゃん」「頼れるお姉ちゃん」を演じ続けた。そうすれば命の危険を感じることなく生活できることを物心ついた時に知っていたと思う。


 生きるために大人よりも大人であり続けなければならない。

 両親も難しい家庭環境で生活していたことを知ってた。その理由で産み落とした子どもに同じような思いをさせていいの?あたしはこの負の連鎖を止めたい。兄弟にはあたしのような思いをしてほしくない、変な家庭環境であることを周りに悟られてはいけない。完璧でなければすぐ綻びが出る。だからこの世があまり好きでなかった。中でも外でも疲れてしまう。


 周りとは「普通」ではない環境、兄弟間で扱いが違うことに嫌気が差した。反抗期は確かめてみたかったんだろう。ここにいてもいい、あなたは必要であると。反抗的なあたしがスペシャルに愛されることなんてあり得ないのに、ね。

 恐怖だけでなく、金銭面の支配が始まってからは部活のシューズが試合中に破けたこともあった。衣食住に困るこどもが部活を続けることは困難だった。高校に入学してからアルバイトを始めてなんとか生活、生きることができていた。


 「尽くし女」「外面のいい女」は男にはウケた。別に好きでもない。でも好きだと言ってくれることがあたしには心地良かったのだろう。誰でも良かった。ここに居ていい理由が欲しかった。とりあえず愛が大きそうな人の隣にいた。だけど、自分の興味のないものへ尽くし続けることは不可能だと思って離れる。だから新しい刺激が欲しくて次を探す。

 自分が過去苦しめられていたいい顔をする「武器」で、楽しく働くことができた。今まで汗水流して働いていたお金が短時間で稼げることが自分の余裕にもなった。

 でも途中から誰かに思われることも疲れてしまい、深く付き合うことを辞めてしまった。

 自分の好きなときだけ、気が向いた時だけ、楽しそうな場所に、刺激のある方に身を置いた。なんて都合のいい女。


 家にガソリンをばら撒かれたこと、リビングにあるこたつ台の上に刺さってしまった包丁、割れた窓ガラス、犬小屋に投げ飛ばされた痣と傷、自分だけ大事にしれくれなかった、お金をかけてくれなかった、食事を与えてくれなかった。自分は自分のままで愛されたかった。普通になりたかった。だけどそれは敵わないこの今の環境が嫌だ。こんな自分が本当に誰かに愛されるなんてありえない。自己肯定感というものはとにかく低い。このまま嫌なことから逃げ続けるしかない人生なのだろうか。


 他人とは共感できることもあれば、考え方が違っていて、刺激にもなるし、恐怖にもなるし。知らないことを知るのは怖い。でも楽しい。たくさん矛盾している。多分だけどあたしの人生は誰かと似ているようで似ていない。

 期待をする、期待を裏切られる、期待をしてみたい、期待は何も起こらない、期待をすることを辞めれば振り回されないと気がついてまたひとつ心が冷たくなる。

 

 何も考えず河川敷の桜の側で音楽を聴いて、携帯を見て時間が過ぎていくのを待つ。この時間が好きだ。疲れ果てた体はもう頑張っても強制的に動かない、動かなくていいそう思える一人の時間が無くては明日を過ごすことは困難だった。


 あたしの誕生日はいつも桜が満開予報になる。九州のため開花早めだからなんだかこの期間は優越感に浸れる。今日は友達に誕生日を祝ってもらってプレゼントもバックの中にたくさん入ってる。親には恵まれなかったけど、自分から関係を作ることのできる友達には恵まれていた。それを感じる日が誕生日でもあった。

 だけど家に帰らないといけない時間はどんどん近づいてくる。友達は家に帰ることそんなに苦痛でないみたい。羨ましかった。家に帰れば電気がついていてあったかい空気が流れてる。

 あたしにはそれがない。寂しいなんて言えない。そう思うあたしだけが家族の中で異質の扱いを受けるから。もう帰りたくない。


 桜が咲くこの中に消えてしまいたい、と。

 

 あたしの携帯の画面の中に綺麗な屋敷の中で鳥とお花と、静かに戯れている女の子が写っていた。

 あたしもここに行って、こんな生活をしてみたい。そう思った――。


 「〇〇~、ここのお店屋さんのブレスレットかわいいよ」


 友達と買ったもの。仲間である印。こうすれば相手は満足してくれる。どうせなら自分の好きなもの選ぶ。

 愛あるように見えてあたしは冷めた人間だ。こんなあたしと友達してくれてるなんてありがたいよね。


 あたしは自分で幸せになろうと思えばできるのだろうか。こんな玉に願いを込めればあたしは幸せになれるのだろうか?こんな玉に頼ればあたしは幸せになれるの――?


「なにやってるんですか(笑)」


 春の風があたしを包むように優しい声が音楽を聴いてるはずのあたしの中に入ってくる。誰――?何――?

 急いでイヤホンを外してあたしは顔を上げた――。




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