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4-1 ずっと残っていたわだかまり

GM:翌朝、7月2日。リナが、エルザから聞いたことを教えてくれる。


リナ(GM):「あの……この指輪について、エルザさんが知っていまして……」


シター:エルザ? 年齢を考えると、関係しててもおかしくないね。


GM:50年前、エルザは、戦士のグレン、魔術師のリックと3人で冒険していた。3人が次に向かう予定だった遺跡の鍵が、この指輪だったんだ。


ヴロン:ふむ。


GM:グレンは、マーファ神殿の若い神官を仲間に誘っていた。でも、ずっと断られていた。故郷の村で病気が発生したと聞き、調査に向かうことになった。その前に、神官へ指輪を預けたんだ。


グレン(GM):「これを預かっていてくれないか。帰ってきたら、一緒に遺跡へ行こう」


挿絵(By みてみん)


シター:果たされなかった約束の品だったのか。


GM:グレンはスプリガンに殺され、帰ってこなかった。指輪を預かった神官は、それからずっと持ち続けていた。


シター:それが、エイラ様なんだね。


GM:そう。その遺跡は、7月7日の一日だけ、湖畔で指輪を持っている人が入れるらしい。


ベラ:もうそろそろじゃない?


シター:あと5日か。一気に話がつながった。


ヴロン:次の話への引きまで、できちゃったよ!


GM:いや、次ではないです。このセッション中に判断してください(笑)


ヴロン:マジかよ!


エルザ(GM):「グレンは、エイラと一緒にそこへ行きたかったんだ。お前たちが今もエイラとゆかりがあるのなら、連れていってやってくれないか」


ベラ:連れていこうよ!


ヴロン:遺跡の中に何があるかは、わかってないんだよね?


GM:わかっている。指輪に残っている記録を見るための場所らしい。危険な場所ではなさそうだよ。


シター:ただ、エイラ様を街から連れ出せるかどうか……。湖畔へ7月7日にもう一度行ってもらうのは大丈夫なのかな?


リナ(GM):「7日は、マーファ神殿の祭典がありまして。最高司祭様は、一日かけて説法をなさらなければならない日なんです」


シター:何だって!?


ヴロン:抜けられないな。


シター:代役を用意できないかな。【ディスガイズ】(外見を変える)の魔法とか……。


GM:ガルフネットは【ディスガイズ】を使えるけれど、他人を変装させる魔法ではないからね。


ガルフネット(GM):「それより、うちらは聖杯をもらって、契約終了でええか?」


ベラ:契約は、街に戻るまでじゃなかった?


GM:そうだね。子供たちはルカとリナに懐いているから、まず村まで連れ帰りたい。君たちも一緒に行く?


ヴロン:エルザが連れて帰るのかと思ったけど、子供たちは懐いてないんだな。


ベラ:悲しい。


シター:一日で片づいたから、日程には余裕がある。乗りかかった船ならぬ馬車ってことで、ガルフさんたちにもついてきてもらおう。


GM:では、子供たちを連れて南の村へ。エルザのことも、村の人に説明してあげないと、怖い人だと思われたままだからね。


シター:そうだね。


GM:君たちが1か月前に来た、コカトリスのいた村だよ。前回は北側から、今回は東側から回り込んで到着した。


ベラ:何て村だったか忘れたな……。


GM:村に名前は無いから、覚えていないので正解だよ(笑) 子供たちが「パパ! ママ!」と泣きながら走っていく。前回助けたニーナも、友達が帰ってきたのを喜んで、抱きついているね。


シター:よかった。


GM:エルザも村へ入る。村の人たちは戸惑っているけれど、子供を助けてくれたので、迎え入れた。ただ、一人の老人だけは「こいつを信用しちゃいけない」と言っている。


シター:昔のことを知ってるのかな。


GM:50年前の事件を覚えている年齢だね。魔術師ギルド側の依頼を受けて病気の調査をしていたら、この老人について聞き込みをするシティアドベンチャーが始まるはずだったんだ(笑) 今回はエルザが村に入れたので、予定していたグレンの墓参りができた。


シター:エルザの意向も聞いておこう。仇は取ったけど、この後はどうするつもりですか?


エルザ(GM):「私の中では、もう冒険は終わりだ」


シター:この村にいたいとか?


エルザ(GM):「ここには、つらい思い出が多すぎる。仲間も、もういない。このまま、普段は行かなかったような大都市へ行ってみようかと考えている」


シター:その前に、指輪の顛末を見届けていくのも、悪くないんじゃないですかぃ? もともと、お宅らの冒険だったんでしょう?


エルザ(GM):「私が、いてもいいのか……?」


GM:複雑な心境のようだね。そこで、リナがシターに声をかける。


リナ(GM):「実は、昨日お話を聞いていたんですけれど……グレンさんとエイラ様は、恋仲だったんです」


シター:ああ…三角関係か。


リナ(GM):「エルザさんも、グレンさんのことが好きだったんです。エイラ様を遺跡にお連れすることには、複雑な思いがあるみたいで……。でも、私はエルザさんも一緒に行った方がいいと思います」


シター:説得するなら……よし、しっかり発言する。「冒険者だったら、どんな事情があっても、最後までやり遂げた方がいいんじゃないですかね?」


ヴロン:仕事ではないが、『冒険を最後まで』ということだな。


ベラ:仲間のためにも、その冒険を終わらせよう!


エルザ(GM):「亡くなったグレンと、リックの思いのためにも……確かに、行く価値はあるのかもしれない」


シター:グレンもリックも人間だったんだっけ?


GM:そう。リックはその後、コカトリスを調査していた。弟子を取って、北方のパダへ行ったけれど、もう老衰で亡くなっている。(弟子の名前は、リノ)


ヴロン:せっかく、ハーフエルフで長生きなんだし、機会が巡ってきたんだ。行こう!


エルザ(GM):「今の話を聞いて、決心がついた。ずっとエイラに言わなければならなかったんだ。嫌がらせをして、申し訳なかったと」


シター:嫌がらせしてたの!?


エルザ(GM):「向こうは覚えていないかもしれない。だが、私の中では、ずっとわだかまりが残っていた。自分一人では、決して口にできなかったかもしれない。でも、君たちと一緒なら……」


ベラ:うん。


挿絵(By みてみん)


GM:エルザも、一緒に来ることになった。村で少し休んでから、馬車でグリーンレストへ戻ろう。


ヴロン:よし、戻ろう!


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