三十五話
「見えました!小せえ島ですぜ!」
朝日も登り、太陽の日差しも眩しくなってきた頃。船員の声で仮眠から目覚める。
「まさかこんなところにあったとはね……普段は波が強い場所だから行かなかったけど、それを利用したってわけかい。だがもう逃げも隠れもできない。行くよ、全速前進!」
デザイカの指示で、さらに船は進む。
「……デザイカ、こんな派手に動いたら見つからないか?」
「見つかるね。……でも、ここまできたら逃がさない方が重要だ。雑魚は無視して、本丸をぶっ叩く!それが一番速いはずさ!」
「そうか……帰ることは考えてるよな?」
「当然。……船に残った船員が雑魚を撃退しながら逃げ続ける!」
「もうちょっと知的な策はなかったのか……?」
「あるけど、こいつらに一から説明するの面倒だしさ」
「……そうか」
「あ、あんたも本丸連れてくからね。準備してきな」
「わかった」
俺は小さく伸びをして、一度部屋に戻って歩き出した。
そして順調に船は進み、小さめな砂浜に俺たちは上陸した。
「さて、しっかりと船守りなよ!」
「「「アイアイサー!!!」」」
船員が元気よく返事をし、沖へと出て行く。
……きっと無事に帰ってくるだろう。そう信じて俺たちは島の奥へと進もうとする。……が。
「コケケケケ!ノコノコと来やがったぜ!」
「ここに上陸したからには、命はないと思えぇ?クッケッケ」
「……まずは掃除からだな」
刀を抜く。
「そうだね。パパッと終わらせようか」
デザイカも銃を抜き、こちらに残った船員も各々武器を抜く。
目の前のデーモンに対し猛進し、距離を詰める。そしてその勢いのまま、一体を両断……!
「グゴアガッ……!?」
続けて飛んだ銃弾が、数匹のデーモンを撃ち抜く。
「「「「うおおおおお!突撃いいいいい!」」」」
船員達も突撃し、各々の武器で殴りかかる。
「グッ……だが魔法なら……!」
「させると思うか?」
コルネイアの矢が、詠唱準備をしていたデーモンの脳天を射抜く。
「な……なんだこいつらは……!」
「強い……!」
「へっへっへ。見たか!これこそ船長のオンリースキル!船長の激励を受けたもんは、その力が普段より高まるのだ!これがこの荒海で俺たちが生きてこれた理由!この海を仕切る海賊「銀龍」の船長の力だあっ!」
……そう言われると、自分もいつもより力が出せている気がする。
動きもより身軽になった感覚がある。
「それなら……もうちょい試し斬りさせてもらおうか!」
俺は跳び上がり、空中のデーモン達を切り刻む……!
「船長は僕が守る。敵は頼んだよ!」
「おう!任せとけオリュシオン!」
「とりあえず……塵にでもなってろお!」
「グゲェ!?」
最後の一匹が船員の一人によって倒され、戦闘は終わる。
「こんなもんか?まあ、中心に行けば増えるんだろうが……」
「しかし、これだけ船員が強ければ問題ないだろう。我々の力も必要ないかもしれんな」
「僕らの力が必要ないのであれば、それでいいでしょう」
「そうですね。アリスさんが船は守ってくれるはずですから……私たちは一刻も早く帰るために、進みましょうか」
「それじゃあ……進軍しようか!」
デザイカの号令のもと、俺たちは島の奥へと進んでいく……。




