第286話 再結成
「————ふぅー、ギリギリで間に合ったよ」
霊獣の咆哮が轟き、ゴーマ共の悲鳴と怒号が響き渡る。
葉山君を筆頭に、キナコとベニヲ、そしてグリムゴアに跨った杏子が突っ込んで、一気にゴーマ軍団の形成を崩した。
そして、今まさにゴーマの大群に飲まれかけようとしていたクラスメイト達の元へ、僕は辿り着いたのだ。
「やぁ、みんな、久しぶりだね」
まずはフレンドリーな挨拶で、余裕をアピール。
それにしても、みんな酷い恰好だ。制服と防具はヨレヨレのボロボロで、手にした武器も今にも壊れそうな状態だ。これ武器に耐久値あるタイプのゲームだったら、もう使い物にならないレベルだよ。
どうやら、彼らはただ激戦を潜り抜けたというだけでなく、ロクな補給も受けられない状況に陥っていたようだ。
「とりあえず、このリポーションは僕の奢りだから、まずは飲んで落ち着いて欲しい」
リポーションの一杯でも飲んどかないと、逃げてる途中で倒れかねない。本当に体力の限界ギリギリといった有様だった。
「もっ、も、桃川ぁああああああああああああっ!」
みんながみんな、目に涙を浮かべてそう叫んだ。
いやぁ、嬉しいね、そんなに喜んでもらえると。このピンチを救ったのは、『勇者』蒼真ではなく、この僕、『呪術師』桃川、桃川小太郎でございます。その辺、しっかりと覚えておいてよね。
「みんな、早くリポーション飲んで。すぐ撤退するよ」
「お、おうよ————んぐっ、ぷはぁ!」
「ああぁ……沁みるわぁ……」
「ありがとう、もうダメかと思ったよ……」
フルマラソンを駆け抜けたランナーよりも疲労困憊といった様子の戦闘担当の三人組は、一気にリポーションを飲み干し、一息ついていた。
ん、三人?
「山田君は」
「あっ、そうよ! 山田君は奥でゴグマと戦ってるの! 私達を逃がすために、一人で挑んで」
で、その先でゴグマ二体に遭遇してるんだから、無駄な犠牲じゃあないか。
けれど、咄嗟の判断で自分を躊躇なく犠牲にできるなんて……やっぱり山田、ヤマジュンが死んでから人が変わってしまったね。
「葉山君、もう少し奥の方に山田君がいる」
「おっしゃあ、頼んだキナコ! もうちょいぶっ込んで行ってくれぇ!」
「プガァアアアアアアアアアアアアアアッ!」
霊獣キナコは雄たけびを上げて、立ち並ぶゴーヴ兵を薙ぎ払いながら、さらに前進してゆく。
山田君が相手しているゴグマってのは……アイツか。やっぱデカいから、こんな乱戦でもゴグマのいる場所は一目瞭然だ。
「グバァ!? ゼブル、ダブラグガァ————」
「プンガァ!」
「ンバァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
すげぇ、霊獣キナコがぶん殴ったら、ゴグマの巨体が宙を舞って吹っ飛んだよ。
そのまま廃墟の3階くらいの辺りに着弾し、ガラガラと崩落に巻き込まれて消えて行った。
「プググ、プガ!」
「よし、キナコ! ソイツが山田だ! もう戻れ!」
高々と掲げたキナコの手には、ぐったりとした山田君が握られていた。まるでキングコングに捕まった人間のようだけど、救助はこれで成功だ。
「山田君も無事に救出だ。さぁ、みんな、逃げるよ」
「おい、逃げるたって、どこにだよ」
「いいからついてきて。あ、姫野さんは足遅いから乗って」
「ええー、わ、私、ラプターなんて乗ったことないからぁ……」
「いや、あっちのロイロプス。ベルトでしっかり自分を縛って、落ちないようにね」
「桃川君、女の子は荷物じゃないんだよ!?」
「お荷物なんだからしょうがないじゃない。泣き言はいいからさっさと乗って」
「こなくそぉーっ!」
どうでもいいブリっ子を発揮する姫野さんをロイロプスに縛り付けて、いざ出発。
霊獣&杏子が散々に暴れてくれたので、ゴーマ軍はほぼ総崩れといった有様。けど、僕らが退けばすぐにでも反撃に転じそうだ。奴らを仕切るゴグマも、まだ生きている。
四人を襲っていた二体のゴグマ。片方は健在だが、もう片方はキナコの猛攻を受けてすでに死んでいるようだ。
よしよし、一体だけでも始末が出来たなら、上々だよ。
「死出の旅路を祝い、晒される骸を呪う。黒い血。泥の肉。空っぽの頭。最早その身に魂はなく、ただ不浄の残滓を偽りの心と刻む。這い、出で、蘇れ――『怨嗟の屍人形』」
騎乗したアルファが素早くゴグマの死体の傍まで乗り付けてくれる。僕は手をかざし、すでに済ませた詠唱をもって呪術を発動させる。
「グゥ……グブブ、ドグバァ……」
「一人で死ぬのは寂しいでしょ? 精々、沢山お仲間を道連れにしていきなよ」
「ドゥングゥァアアアアアアアアアアアアアア!」
雄たけびを上げて、ゴグマの屍人形が動き出す。
やっぱり、その場で足止めしてくれる奴がいた方が、撤退する時は有効だよね。
「声なき声をかき集め、闇夜に透ける姿を映す。狂気の沙汰、悲劇の果て、虚無の末路。暗き底なし沼に淀む者達よ。悔い、改めることなかれ————『悪霊憑き』」
オマケとばかりに、敵を狂わせる『悪霊憑き』も発動させる。
「『悪霊憑き』、『悪霊憑き』、『悪霊憑き』————」
目いっぱいに連打して、目に映るゴーヴ兵に仕掛けていく。
これで、屍ゴグマと悪霊ゴーヴの捨て駒足止め小隊の完成だ。制限時間一杯まで、大暴れしておいてよね。
「じゃあ、みんな行くよ。遅れずに付いてきて!」
ほどなく、予定通りの場所に僕らは無事に退避することに成功した。
ゴグマの足止めが有効だったのか、それとも完全に指揮系統が乱れたか、大した追撃もなくゴーマ軍は簡単に振り切れた。
監視の目も、出来る限り潰している。フクロウはあの戦場で3つほど、羽根つき目玉の使い魔を仕留めている。今は一時的に、奴らの目からは完全に逃れられているはず。
もっとも、こんな大勢で逃げてきているから、すぐにでも痕跡は辿られるだろうけど、トンネル封鎖すれば関係ない。
ここのトンネルはただの一本道ではなく、内部は複数のトンネルが絡み合うように存在しており、隠れ潜むにはうってつけの場所だ。少なくとも、ゴーマの縄張りではない。
僕が一人で歩いた最初のエリアを思い出す武骨なトンネルを進み、適当なところでようやく腰を落ち着けた。
ここは地下鉄のホームみたいに開けた場所となっている。
「みんな、お疲れ様。聞きたい事、言いたい事は色々あると思うけど、まずはゆっくり休んでよ。話はそれからにしようか」
ゴーマ軍団に襲われた5人組はズタボロだ。とても込み入った話のできる状態ではない。
特に山田なんかは、かなりゴグマにボコられたようで、学園塔で作った鎧も半ば砕けているほどだった。頑丈な『重戦士』じゃなければ普通に死ねるダメージ具合である。
5人には、とりあえずですぐ食べられる保存食を上げたら、夢中で食べて、すぐに寝入ってしまった。ゴーマとの戦いだけでなく、単純に飢えによる衰弱もしつつあったようだ。
「やっぱり、5人だけではぐれたっぽいけど……」
まぁ、詳しい話は目覚めてから聞くとしよう。
それまでの間、僕と杏子と葉山君の三人は、ここを新たな仮拠点とする用意をしておいた。風呂も入りたいだろうしね。
そうして半日ほど過ぎてから、ようやく5人が目を覚ました。
「あー、なんだ、その……まずは、助けてくれてありがとな、桃川」
「マジ助かったよ、杏子。来てくれてめっちゃ嬉しかった」
殊勝な態度で、上田が謝意を表明してくれた。
芳崎さんは、杏子と抱き合っている。ギャルの友情、感動の再会、とそんな感じである。
「まさか、葉山君が生きているなんて……」
「おいおい中嶋ぁ、お前も桃川とおんなじこと言うなよなー」
そういえば、葉山君は中嶋君とは普通に仲が良いんだっけ。クラスでは割と一緒にいた気が……というか、なんとなくの印象でしか知らないけど。
でも学園塔にさえ現れず、一人の目撃情報さえなかった葉山君が、生きているとは誰だって思わないよ。
「桃川、お前……どうして、俺達を助けた」
「山田君は、まだ無理して起きない方がいいよ」
そんなに僕が素直に助けに入ったのが驚きかい?
別に、もし僕が毒殺事件の真犯人だったとしても、あんなシチュエーションだったら助けて恩を売って再び取り入ろう、とすることは不自然ではないでしょ。
なら、僕が無実でも犯人でも、どっちにせよ君達を助けたってことになるよ。
「俺は大丈夫だ……」
「死にかけだったくせにー? まったく、いくら『重戦士』が頑丈でも限界があるんだから、無茶しちゃダメだよ」
実際、山田はまだ安静にしておくべき状態だ。どう見ても骨とか折れてるし。
「じゃあ姫野さん、山田君に治癒魔法かけといてねー」
「相変わらずの人使いね、桃川君」
「うん、そうだね、適材適所だね」
「その悪びれない感じ、本物だわ」
「ふふん、小鳥遊如きじゃあ、姿は真似できても、僕と同じ真似はできないよ」
さて、山田も姫野も気にしているようなので、先に僕の方から話を始めようか。
「改めて言うけれど、僕はクラスのみんなに毒を盛ったりしていない。全て小鳥遊の仕業で、アイツは今もクラスメイトの排除を狙っている。だから、僕はみんなを助けるために、こうしてここまでやって来た。いやぁ、思ったよりも早くみんなに追いつけて、本当に良かったよ」
と、にこやかに語ってみるが、まぁ胡散臭い笑顔に見えちゃうのかな、こういう時って。
それでも、明確にスタンスを明らかにするって大事なことだと思うんだよね。
「みんなには、僕のことを信じて欲しいと思っているし、こうしてピンチを助けて、信じてもらうに値する行動もしていると思っている。けれど、それでも僕を信じ切れないというなら————今すぐ、この場を去って欲しい」
たとえ疑わしくても、このまま出ていくワケにはいかないだろうけどね。
みんなの様子をこうして間近で見れば、確信できる。君達5人は今、完全に蒼真グループから離れているんだろう?
学園塔で結束した二年七組は、とっくに崩壊してしまった。戻る場所なんて、もうどこにもない。
小鳥遊の罠か、それとも自然消滅か……蒼真君、どうやら君一人にクラスのみんなを守るのは、荷が重かったようだね。
「信じるわ、桃川君。というか、信じざるを得ないわ。私達は、はっきり見捨てられたんだから」
「そっちも、やっぱり色々とあったみたいだね?」
「杏子、アンタが正しかった。アタシらは、小鳥遊にハメられてこの有様だよ」
よしよし、よくやった小鳥遊。お前が露骨に5人ものクラスメイトを排除してくれたお陰で、相対的に僕の信用度が爆上がりである。
向こうの方からボロを出すとは。その上、切り捨てたクラスメイトが丸ごと生きているなんて、僕にとっては理想的すぎる展開だ。
小鳥遊、やっぱお前、馬鹿だよ。
「それじゃあ、何があったのか、詳しく聞かせてもらっていいかな?」
そうして、僕は知ることとなる。
僕と杏子が去った後、如何にして二年七組が学級崩壊していったかを。
シクシクと悲しい泣き声が響いている。
杏子と芳崎さんは、身を寄せあって泣いていた。
「……三人も失ったのか」
まず、下川が消えた。生死は不明だが、たとえ生きていたとしても合流は絶望的だろう。
次に、中井と野々宮さんが死んだ。
ザガンとかいうネームドのゴーマに、真っ二つにされたという。これは全員が目撃しており、中井は即死で、野々宮さんはあまりの重傷でその後まもなく死亡。
知らされた大切な友人の死に、杏子が泣くのも当然だ。彼女は楽観的だから、多分、僕みたいに覚悟はしていなかったはず。
それを甘いと責めるつもりはない。深刻な時は、深刻な顔をしていれば解決するわけではないのだから。
最悪を想定して心配するのは僕だけでいい。能天気な杏子が傍にいてくれることで、きっと僕は自分が思っている以上に精神的に救われているはず。
そんな彼女が泣いているというのに……僕には、かける言葉が見つからない。見つかるはずもない、何を言っても、取り返しのつかないことに変わりはないのだから。
「桃川君が来なかったら、私達5人もあのまま死んでいたわ」
「それで、晴れて生き残りは蒼真ハーレムだけってことになるわけだ」
この5人をまとめて排除できたなら、小鳥遊はかなり動きやすくなるはずだ。なにせ、残った面子はほぼ頭からアイツを信用しているからね。
後は普通にボス戦にかこつけて、蒼真君が覚醒しそうな演出で犠牲者を一人ずつ出して行けばいい。
しかし、そうスムーズに事は運ばない。
小鳥遊のゲームマスターの能力があれば、ボス戦をコントロールすることも可能だろう。直接的な操作能力まではないとしても、必ずや都合のいい犠牲が出るくらいの強さをもったボスモンスターが用意される。ヤマタノオロチが、僕らの排除を狙ったように。
だが、女神エルシオンも小鳥遊の力も及ばない相手がここにはいる。
そう、ゴーマだ。ここにはオーマ率いるゴーマの王国がある。
それが中央塔、小鳥遊曰く『セントラルタワー』という天送門のある中枢区画を堂々と占拠しているのだ。
ザガンはクラスメイトを容易く殺し、蒼真君でも足止めで何とか、というほどの強力なゴーマの上位種、『ギラ・ゴグマ』である。そんな大ボスに加えて、ゴグマ、ゴーヴ、ゴーマの大軍勢を王国は擁している。
小鳥遊はゴーマ王国を突破し、自力でセントラルタワーまで到達しなくてはならない。そして、今はその方法を模索中ということだ。
「僕はメイちゃんは絶対に助けたいし、委員長と夏川さんも見捨てられない。蒼真君は自己責任だし、なんなら桜ちゃんと剣崎はこの機会にお別れしても、くらい思っちゃってるけど————要するに、黒幕の小鳥遊を殺す。そして、他のみんなも助ける。だから協力して欲しいし、そうする以外にこのダンジョンから脱出する方法もないと思う」
改めて、僕は問う。小鳥遊小鳥を敵として、僕と共に戦ってくれと。
「桃川、俺はやるぜ。中井も、下川も、元をただせば小鳥遊のせいで……だから、仇は討ってやらねぇと、気が済まねぇからな!」
「アタシもやるよ……ジュリを殺したあのゴーマも、そうなるように仕向けた小鳥遊も、絶対許せないから」
共に友人を失った上田と芳崎さんは、真っ先に気炎を上げて乗ってくれた。
復讐心はシンプルだけれど、強力な感情だ。そういう方が、仲間としては安心できていいよね。
「俺らはあの時、お前を犯人だと決めつけて追い込んじまっただろう。今更、謝って済む問題だとは思わねぇが……桃川、お前は俺らを許してくれんのか」
「いやだなぁ、山田君、僕をそんなに短絡的で感情的なヤツだと思っているのかい?」
「そうか……そうだよな、お前はそういう奴だ。桃川、あの時は本当に済まないことをした。償いってワケでもねぇが、俺はお前に協力する。なんでも言え」
「ありがとう、山田君。またこうして仲間に戻れて、僕は嬉しいよ」
本当に、山田は真っ直ぐな男になったものだ。今の男気溢れるこの姿、ヤマジュンに見せてあげたいよ。
「中嶋君は、どうする?」
「お、俺は……」
「小鳥遊は絶対に許せないわ! っていうか、私を突き飛ばした剣崎もマジで許さねぇし! ねっ、陽真くんも、あの女の醜い行いを見て幻滅したと言ってるし、喜んで桃川君に協力させてもらうわよ!」
「えっ、そんなこと言って————」
「言ったの! はい、それじゃあ決まりね。5人全員、桃川君と協力して小鳥遊ぶっ殺すわよ!」
うーん、この姫野のゴリ押し具合。嫌いじゃない。
中嶋は剣崎に未練アリアリなのは見るからに分かるけど、見ないフリが正解だよね。だってここで反対したところで、一人で出ていくワケにはいかないもんね?
君は剣崎のことを愛していても、アイツは君のことなんて、なんとも思ってないからさ。のこのこ戻ったところで、難癖つけて追い返されるか殺されるかのどっちかだよ。
だから、そんな乗り気じゃなくても中嶋は、僕らのグループに所属するしかないのだ。ただ、自分自身が生き残るために。
なぁに、そんなに心配しなくてもいいよ。その気がなくても、ちゃんと生活は保障するし、決して悪いようには扱わない。君は『魔法剣士』として貴重な戦力であり、『簡易錬成陣』も使える労働力だからね。
そして何より……剣崎の女郎は僕が殺してあげるから。思い人を手にかける、なんて残酷なことを君にさせるつもりはないよ。
「みんな、本当にありがとう。今はヤマタノオロチに挑む時よりも辛い状況だけれど、ここにいる全員が協力しあえば、必ず解決できると僕は信じている」
これで、5人ものクラスメイトが再び僕の味方となった。
メイちゃんや蒼真君のような、エース級の力はない。けれど今までダンジョン攻略をし、共にヤマタノオロチを討ち、小鳥遊の陰謀で追放されても生き残った歴戦の勇士達だ。
「大切なのは、団結すること。それが、僕らの一番の強みだ」
小鳥遊はハナから裏切り者だ。蒼真君も、みんなのことも、騙している。
だから、真の意味で一致団結することはできない。
委員長だって小鳥遊のことは疑っている、というか、こうも離脱者を出した以上、ほぼ確信を抱いているかもしれない。そして、メイちゃんも向こうは抱えたままだ。
今のメイちゃんは心神喪失状態らしいけど、そんな可哀想な状態だからこそ、蒼真君は優先的に守ってくれる。彼女を放逐することは決してない。
そして、小鳥遊にとっても彼女の存在は喉元に突き付けられた刃である。
大方『イデアコード』の力でメイちゃんを無力化しているのだろうけど……その拘束力が僅かでも緩めば、最強の狂戦士が解き放たれることになる。
僕ら八人は、同じ目標を共有し、全員が協力しあえるチームだ。
一方、蒼真ハーレムパーティは、最初から団結しようもないガタガタの状態。
個々の能力では上回っていても、集団としての力は僕らの方が上だ。勝機は十分にある。そして、正義も我にありだ。
「裏切り者を倒し、僕らは今度こそこのダンジョンから生きて脱出しよう」




