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狐猫と旅する  作者: 風緑
41/166

第041話 聖女パワーアップと増えた魔物?


「ハクア、ハクアッ!」

 う、ううん?セアラ?と思って目を覚ます。

 今日の私はちょっと寝不足だ。


 それも昨日の図書館で読んだ本、何故か紛れたのか○○についての本ではなく、騎士物語とあった。

 剣と魔法なファンタジー世界で剣と魔法のファンタジー世界な物語、何だか変だが中々、久々に熱く熱中して読んでしまった。


 かなり分厚かったけど滾りに任せて読み終えたのは深夜、お陰でまだちょっと眠い。

 あ、お日様が結構な高さ、もう朝ご飯が近いと思う。


 それはそれとして目の前のセアラだめっちゃ慌ててる。

 何事かと思う。


「ミィミィミ?ミィミ?」(どうしたの?セアラ?)

 訊ねると凄いワタワタしてる。

 うん、何だか懐かしい、この雰囲気。


「わ、わ、わ、わた、わた、私のステ、ス、ス、ステ、ステー、ステータ、ステータスがっ!」

「ミィミィィミィミ?ミミミィミィミィミミミ?」(ホントにどうしたの?久々にお〇らし聖女モード?)

「お〇らし聖女モード?」

 私の一言に突然、今迄の慌てぶりが嘘の様にキョトンとして首を傾げるセアラ。


 しまった、いけない。

 あの事をセアラは知らないのだった。

 リーレンさんやガレスさん達も黙っている事を私が教えてはならない。 


 私と初めて会った時にセアラが気絶した後にお〇らししてしまった事実を、アレはセアラの黒歴史、私は墓場まで持って行く。

 決して知らせてはならない。

 コホンと咳払いして改めてセアラと向き合う。


「ミィゥィ?ミィィィミミミィミィ?」(それで?ステータスがどうしたの?)

 訊ねる私、するとそうだったとばかりにガバリと顔を上げて私に近付く。


「そ、そうです。わ、わた、私、私のステータスがっ!」

 私の可愛いプニプニお手々を両手で持って私をプランとさせながらセアラは言った。


「すっごく増えてるんですーーーっ!!」

 と――


 私は「ミ?」と首を傾げた。


 セアラが言う昨日までの彼女のステータスはこうだ。


【名前】セアラ


【種族】人族ヒューマン・聖女


【位階】零


【LV】8


【気力】12


【理力】12


【霊力】17


【魔力】18


【SP】552


【技能】【祝福LV5】【治療LV1】【加護LV1】【大結界】


【恩恵】【神眼】【光輝】【月光】


 うん、申し訳ないがマジで低い。

 ヴァン侯爵が当時『時期大聖女に相応しくないっ!』と怒るのも何となく納得できる数値だ。

 【LV3】な私並である。


 因みに狐猫――綿猫ファトラの幼体は討伐難易度G級の下位レッサー、子供でも狩れるそうだ。

 それ以下ってセアラ……、いいや、彼女は頑張っている。

 その頑張りを私は知っている。


 水晶大亀アルケイロンとの戦いで頑張ったから【SP】が500も増えてる。

 巨大金蚤ジャイアントスカラブと【鉄機兵】の討伐でも頑張ったから【SP】が50上がってる。


 そして今の彼女のステータスが此方。


【名前】セアラ


【種族】人族ヒューマン・聖女


【位階】零


【LV】8 → 8


【気力】12 → 192


【理力】12 → 192


【霊力】17 → 197


【魔力】18 → 198


【SP】552 → 552


【技能】【祝福LV5】【治療LV1】【加護LV1】【大結界】【絆】


【恩恵】【神眼】【光輝】【月光】


 確かにめっちゃ増えてる。

 【SP】は変化無いが、他は180も増えている。


 今朝のリーレンさんとの訓練でオカシイと思ったらしい。

 何時もと違って疲れない、杖をブンブン振れる、普段は全く手も足も出ないリーレンさんさんとの練習試合でも善戦出来た。

 絶対に変だと思ってステータスを見たらこうなっていたと、その上で原因を私への【名付け】と【技能】【絆】と考えて此処に戻って来たそうだ。


 多分、合ってると思う。

 私も自分のステータスを見る。


【名前】ハクア


【種族】ファトラ


【位階】弐


【LV】30 → 30


【気力】565 → 595


【理力】562 → 592


【霊力】642 → 672


【魔力】646 → 676


【SP】2804 → 2804


【技能】【金綱牙攻撃LV3】【猛烈爪攻撃LV3】【超尻尾攻撃LV3】【隠形LV10】【超記憶LV2】【探知LV9】【鑑定LV6】【検索LV6】【気力操作LV1】【理力操作LV1】【霊力操作LV1】【魔力操作LV1】【気力探知LV1】【理力探知LV1】【霊力探知LV1】【魔力探知LV1】【夜目LV8】【疾風】【剛力LV6】【鋼体LV6】【物理攻撃完全無効】【空間機動LV10】【予測LV8】【千里眼LV2】【並列思考LV4】【思考跳躍】【五感大強化LV2】【翻訳LV10】【空間魔導LV2】【忍耐】【絆】


 ステータスが全部30増えてる。

 ささやかだが、やはり【名付け】と【絆】の効果だろう。


 そこで私は自分の秘密を全てセアラに話す事にした。


「ミィィ、ミィミミゥミィミ」(セアラ、聞いて今から全部話すわ)

「は、はい」

 セアラは私を持ち上げ新しくなったベッドに腰掛けると隣にそっと私を置いた。

 おお、このベッドてばフカフカだ。

 流石はお高い真新しいの、寝心地が良さそうだと尻尾でポフポフしてみる。

 だが、そんな場合ではないと正面のセアラを見て言う。


「ミィミィィ、ミミミィミィミィミ」(まず私、【LV】があるの)

「え?」

 驚きにセアラの目が開かれる。


「ミミィミィミミミィミミ」(更に【SP】があるわ)

「ええ?!」

 ビックリして口を大きく開くセアラ。


「ミィイミミィミミミィミィミ」(加えて【技能】も次々と覚えてる)

「はぁぁぁぁぁぁっ?!」

 セアラの顔がドンドン崩壊していく。

 何だかちょっと面白い。


「ミィミミィミミィミミミィミミミ」(最後に【位階】もあって【試練】に臨めるわ)

「……………」

 セアラはもう絶句だ。

 驚き過ぎて言葉が出ないらしい。


「な、何故、魔物であるハクアに人と同じ【加護ステータス】が?」

「ミィミィミ。ミィゥ、ミィミミミィミミミィ」(分からない。多分、前世が人間だからじゃない?)

 言うとセアラは瞳を瞬かせた。


「前世が人間ですか?」

「ミイ、ミィミィミィミ。ミィミミミミィミミミミ」(そう、輪廻転生って奴ね。この世界にはそういう概念はない?)

 するとセアラは首を振った。


「いえ、輪廻転生と言う魂が巡ると言う考えはあります。しかし、この世界とは?」

「ミィミミミィミミィミミミミ。ミミィミ、ミミミミィ、ミィミミミィミミィミミミィミミミィミィミ」(そのまんま元は此処とは別の世界で生まれたという意味よ。魔物は居ない、【加護ステータス】もない、人と人の争いは遭ったけど私が育った国は平和だった)

 その言葉にまた驚いた顔をした後、羨ましそうに呟いた。


「それはこの世界より平和な世界でしょうね」

「ミィゥ。ミィィミィミミ。ミィミ、ミミミミィミミミ…」(そうね。この世界は苛酷だわ。何度、自称:神様(仮)を恨んだか…)

 私がそう言うとセアラが顔色を変えた。

 あれ?私、何かマズイ事を言ったかな?と思った。


「ハ、ハクア、流石に神を自称や(仮)と言うのは不敬に…」

 ああ、それかと笑いながら私は言う。


「ミィィィミィィミ。ミミミミィミィィッミミ、ミミミィミミミミィミミィミミミ、ミミィミミミィミミミ。ミィミミミィ?」(きっと気にしないわよ。実際に似た事を言ったけど大笑いされたし、それに私って転生させる魂を選んでいたら偶然、引っ付いて来たから転生させたって言うのよ。酷くない?)

 ポカンとされた後、クスクスと笑われた。

 そんなにおかしい事を言ったかなぁと思いながらセアラが元に戻るのを待つ。


「フフフ、我等が神は大変、大らかなのですね。そしてハクアが転生したのがそんな偶然だったとは。二度も命を救われた私は感謝ですわね」

 笑顔が戻ったなら一番だ。

 そう言えばもう一人、女神様兼悪魔兼邪神に会ってたなと思い出す。


「ミィィミィミミィミィミミミィミミミ。ミミミィミミィミミミィミミミィミィミィ、ミィミミィミミミィミミィミミミ。ミミミミミミ、ミミミィ」(そう言えばダアト山脈の山頂の祠――円卓でアストラーデって女神様で悪魔で邪神様にも会って【神託】を受けたわ。『四日後に汝が出会う少女を身命を賭して護り抜け、さすれば汝の願いは叶うであろう』って、それで会ったのがセアラだった。まぁ、神託抜きでも助けて着いて行ったけど)


「『大聖女の円卓』に入ったのですか?しかもアストラーデ様から【神託】を授かるとは、本当にハクアは規格外です。でもダアト山脈を抜けたのなら生まれはザナドゥ森林ではないのですか?」

 そんなにスゴイ事なんだろうかと思う。

 扉はアッサリと開いたし、アストラーデも何となく座った椅子から降臨した。

 妙に疲れはしたが特に苦労ななかったがと思うが、そういう問題では無いらしい。


 『大聖女の円卓』の門を開けられるのも【神託】を授けられるのも大聖女のみ、私が中に入れたのも【神託】を授かったのも有り得ないそうだ。

 驚きだ。


「ミミミィミミィミミミ、ミミィミィミィミミミィミミィミミミミミィミミ。ミィミミィミミミィミミミミミィ」(生まれはアドラスティア大樹海よ、密猟者にアトランティカ大国で襲われて母狐猫は私を護って死んで兄弟姉妹は捕まったわ。私だけが逃げ出して此処まで来た)

 セアラは何か言おうとして黙った。

 私の瞳に灯る暗い光を見たからかもしれない。

 私がもしも人だったら仇を法の裁きに委ねたかも知れない。


 だけど私は魔物だ。

 人の敵だ。

 言う事は通らない、法は当てにできない。

 なら自然の――野生の獣らしくやられた事をやり返す。


 あの男は許さない。

 必ず母狐猫の仇は討つ。

 私の意思は固い、セアラでも止められない。

 それが分かってかセアラは何も言わなかった。


「でも本当に驚きました。ハクアはビックリ箱ですね」

「ミィィィウミィ」(そんな事ないわよ)

 返事をするがセアラは否定的な感じだ。

 オカシイ、こんな愛らしくプリチーな狐猫に何を恐れる事があるのか、物凄く恐がっていたセアラに言っても今更だが、兎も角、私は基本人畜無害だ。


「ミィゥ、ミミミ、ミミィミィミミィミミミミミィミィミィミミミィミミ」(そうだ、あと一つ、ガマガエル神殿長――ロズベルト神殿長の所に居たと言うハミルトンと言う奴には注意して)

「え?何故ですか?」

 不思議そうに首を傾げるセアラ。


「ミィゥィゥミィミミミィミミ、ミミィミゥミィミ、ミィミミミィミミミゥィミミミ」(そいつはまず間違いなく、私と同じ転生者だから、あんな【機械】や【兵器】を作れるのが証拠だわ)

 驚いて口を手で覆うセアラ。

 【機械】や【兵器】についてはよく分かってなさそうだがあの【鉄機兵】の様な物と理解したらしい。

 やっぱり、優秀だと思う。


「でも何故、神はハクアやそのハミルトンの様に前世の記憶を持ったままこの世界に転生させたのでしょうか?」

「ミィァゥ、ミミミミィィィミ、ミミィミミミィミミィ、ミミミィミミィミミミィミミ」(分からないわ、私の世界じゃ定番の物語だったけど、理由は有ったり無かったりだったから、正に自称:神様(仮)のみぞ知るね)

 これで今、分かっている話は大体全てだ。

 伝え終わったと息を吐く私と顔色を少し悪くして溜息を付くセアラ。


「ミィゥイ?ミィミ」(大丈夫?セアラ)

「はい……いえ、流石に驚くことが多すぎてダメですね」

 やっぱり情報量が過多のようだ。

 流石に一度に話過ぎたかと思う。


「ミィ、イィァゥ。ミィィミミミィミイミミ」(まあ、大丈夫よ。私は頑張ってセアラを護るから)

「いえ、私はハクアに護られてばかりです。私にもハクアを護らせて下さい」

 お互いに互いを護るという私達、どちらかとも知れずに噴き出した。


「ミィァ、ミミィミィミミミミィミミィミ」(じゃあ、お互いにそれぞれを護るという事で)

「はいっ!」

 こうして私の秘密の話は終わった。

 また何か分かれば伝えるとして、頷きあう。


「そういえば、それはそれとして私のステータスが急上昇した理由は分からないままではないですか?」

「ミッ!」(あっ!)

 ちょっと何とも閉まらない終わりだった。

 今後の考察に期待だ。


 朝食後の訓練、私は必死に【気力操作LV1】【理力操作LV1】【霊力操作LV1】【魔力操作LV1】【気力探知LV1】【理力探知LV1】【霊力探知LV1】【魔力探知LV1】を発動してコントロールしていた。


『マスター、ムチャデス』


 と、いう【検索】さんの注意が入るが何とか必死に維持する。

 折角、一気に覚えた【技能】だ。

 頑張って一緒に上げて行きたい。


 だが制御しきれずに遂にパァンと【技能】が解除される。

 くう、予想以上に辛い、せめて半分を他に回せればと考えていたらピコーンと音がして『【並列思考LV4】が【LV5】になりました』と出る。

 ナイスタイミング、五番目の【並列思考】よ。

 君には【気力探知LV1】【理力探知LV1】【霊力探知LV1】【魔力探知LV1】を回そう。

 頑張って欲しい、ご褒美は止められない止まらないかっぱえびせんだ。


 使う【技能】を半分に減らしたことで制御が楽になる。

 4つの同時使用、いや、【超記憶】【検索】さん【剛力】【鋼体】【予測】【五感大強化】も使ってるから全部で10個を同時使用中か、パァンしちゃうのも分かる。

 【千里眼】も常時使用にしたいが遠視になって傍が見づらいし、使うには集中が必要だ。

 常時使用は諦めた。


 そこで【並列思考】の四番目から反応、何かな?と思って見るとおお【空間魔導】がちゃんと使えると発覚、どうやら【操作】【探知】系の【技能】がカギだったようだ。

 「ミィミィ」と詠唱して発動【空間魔導LV1】【空間指定】、何となく指定した場所に目印のピンの様な物が刺さった気がした。

 只、それだけである。

 使えねーと思う。


 次、【LV2】【空間把握】、周囲の状況を探れる様になる様だ。

 うん、だがしかし、私には【探知】さんが居る。

 態々、詠唱しなくてももっと広範囲に色々と教えてくれる。

 没だ。


 頑張って欲しい【並列思考】の四番目、ご褒美はとっておきの夏に嬉しいアイスクリームだ。

 次の【LV】の魔法に期待だ。


 今日の特訓は【気力操作】【理力操作】【霊力操作】【魔力操作】【気力探知】【理力探知】【霊力探知】【魔力探知】を使用しながらのシャドーだ。

 動いてみると改めて実感できる。

 私はステータスの半分も使い熟せて居なかったと、全く動きの速度、キレが違う。

 力の威力が違う、これでまだ【LV1】かと思う。


 ジャブ、ジャブ、ワン・ツー、アッパーカット、トドメは渾身の右肉球ストレートッ!


 衝撃波が飛んだ。

 今、木人形に打ち込みしていた聖女候補生の目の前の木人形が衝撃波で粉砕される。


 あっれーっ?!


 呆然とする聖女候補生、冷や汗を流す私。

 そして私の肩にポンと置かれる手、私はビクゥッ!と震えた。


 あ、先生、おはようございます。

 いえ、決してワザとではなく、熱が入ったというか、まさか衝撃波が飛ぶとは思わなかったというか…


 自己弁護は聞き入れられず猫掴みで私はドナドナされた。

 厳しいお説教だった。

 二度とやらないと誓わされた。


 うう、ホントに恐かった。

 でもこの先生は勇気があるし優しいよね。

 普通はこんな事件を起こす魔物は怖くて近寄らないか出入り禁止だ。


 それをお説教で許してくれる。

 良い人だ。


 取り合えず、シャドーは止めてお座りして【千里眼】と【操作】系の訓練にした。


 天高く馬肥える秋と言う。

 季節はまだ夏ギリギリだけど、私は恐らくだが3月頃の冬の終わり生まれで半年が過ぎた今は9月、秋目前だ。

 この人が住むゴルディシア大陸、星の真ん中と言うから赤道直下の熱帯かと思っていたが、全然そんな事は無いらしい。

 春夏秋は温暖、夏がちょっとだけ解るくらい熱いかなー程度、代わりに冬は結構厳しく寒いそうだ。

 流石は不思議なファンタジー世界だ。


 そして何で私がこんな話をしているかと言うと、目の前に馬の魔物が居る。

 牛よりはちっさいがデッカイ馬だ。


【鑑定】『戦闘馬バトルホース討伐難易度B級、災禍ルイン


 確か鬼人オーガが騎乗して戦うとあった。

 こんなのに乗って戦うのか凄いな鬼人オーガと思う。


 さて、今此処には狩りに来てるんだがどうしようと思う。

 馬は喰えるかと、馬刺しとか喰えるのは知ってる。

 だが食指が沸かない、お馬さんは可愛い。

 つぶらな瞳がプリチー、経験値を求めていた時なら狩っただろうが、今はもう30だ、急がない。


 お馬さんもこちらに興味が無い様で草を食べてる。

 どうするかなーこれ、と思ってお馬さんを見ていたから接近に気付くのが遅れた。


【鑑定】『邪豹イービルパンサー討伐難易度B級、災禍ルイン


 お馬さんに襲い掛かる豹。

 突然の襲撃に驚く馬。

 お馬さんに何をするっ!と【超尻尾攻撃】で撃破する私、馬は無事だった。


 まぁ、偶にはこういう日が合っても良いかと私は去ろうとした。

 するとお馬さんが着いて来る。


 しかも何時の間にかもう一頭増えている。

 二匹の馬と一緒にジュラ大森林を抜ける私、私はこれからアストラリオンに帰るんだけどどうする?と身振り手振りして見る。


「ヒヒーン」


 着いて来ると言ってるように聞こえた。

 しょうがないと【超尻尾攻撃】で抱えて二頭を連れて行く、頭が良いのか空を走っても暴れなかった。


 アストラリオンの近くに降りる。

 後は歩いて街までだ。


 するとお馬さんが私に顔を擦り付けて来た。

 乗れと言うのかな?

 背中に乗った。


 はいよー、シルバー。


 お馬さんは駆け出した。

 セアラの【光輝】を受けた馬より速い。


 私よりは遅いけど、街まではあっという間だった。


 街は当然、騒ぎになった。

 B級、災禍ルイン戦闘馬バトルホース二匹を私が生きたまま連れて来たからだ。

 大神殿に使いが走らされセアラとリーレンさんがやって来る。


 事情を説明する。

 助けたら何か懐かれたと、話すと頭を抱えられた。


 何故?


 兎も角、馬達はこのままでは街に入れない。

 私と違い結界に弾かれる。


 誰かの従魔になるしかない。

 どうする?と目を見るとジーと見つめ返される。


 私の従魔という事になった。

 良いのか?!と思う。


 良いらしい。


 そして神殿に連れて行きお馬さんの宿舎が準備される。

 セアラの馬車を引く馬が戦闘馬バトルホースになった。

 夫々にシルバーとズィルバーと名付けた。


 ちょっと呼びにくいと言われたがお馬さんの名前は銀なのだ。

 決まっている。


 偶に遊びに行くと喜んでくれる。

 可愛い。


 こうして大神殿に魔物が増えた。

狐猫の小話

戦闘馬バトルホースは頭が良い魔物です。

自分より強い者にしか従いませんが忠誠心はピカ一です。

因みに二匹は夫婦です。

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― 新着の感想 ―
[一言] さらっと打ち明けました。誰かに聴いて欲しい時もありますよね。 今後も舎弟が増えそうですよね。
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