ある日の日記・20
20
【9月5日】つづき
また、芸術家には多く
子供が出来ずに、その為に、その道に没頭することになり
それで大成したとゆう人もいる。
しかし、自分には、多面的に色々とある程度の才能を持ってはいるが、一世を風靡する程度の才能を持ち合わせてはいないし、その道を進めるわけでもない。
となると、仕方なく、もらい子でも養っていったらどうかとも思うが
しかし、やはり自分の身体から生まれ出たものじゃないとゆう空しさは、埋め尽くせるものではないように思うし…。
皆目、目先真っ暗になってしまった!。
このような結末がきたのは、やはり俺は田舎に帰るようになっていたんだと思い。
お袋と一所になって、静かに暮らすことを考えた。
子供が出来る身体であって、彼女と家庭を持った夢からしたら、何と儚い悲しい定めなのかと、御親の心を疑った。
やはり俺も、のぼせ上がっていたんだ。 生意気すぎたんだ。
それをブチのめして、真理に立ち返らせるために下された、愛のムチなんだと思った。
しかし、それにしてもあまりにもむごすぎる。 ひどすぎる。
さほど人の事などかまわないで、自分の事ばかりしか考えない人間でも、あんなに幸福を与えてくれているというのに
俺のように人の事で思い悩み、力になろうとしている者から、どうしてそのような幸福を奪う権限があるとゆうのか!……
いやっ! まぁ‥ これは妬み心で(のぼせ上がっている言葉だった)
そんなに思はなかったことであるが
しかし、やはり子供が持てないということほど寂しいことはないとゆうことを痛感させられた!
そのようにしてアレヤコレヤ考えめぐらしている内に、やっと……
やっと天の救いの手が差しのべられた。
真っ暗闇の中に居た自分の頭の上に、これほどの嬉しいことはない言葉が降ってきた。
声→『治療すれば、まだこれから出来ないとゆうことはないんだって、おどかすなよ!~~』
‥その言葉を聞いた時に、俺は無性に涙が込み上げてきた。
またメメしいと言われると思い、押さえようとしても、押さえようとすればするほど、涙が込み上げてきた。
自分の心がどうなったのか分からないくらい、複雑な心境になった。
もう、いてもたってもいられないくらいになった。
涙を流したことで、彼女はメメしいと言ったようだが
誰でも、誰においてでも
このようなことを鼻っ先に突きつけられたら、そのようになって涙を流さない者はいないさ。
もし涙を流さないというような人がいたら、それは人の情と言うものを持っていない人のことだ。
本当に人間としての心を持っている者だったら、こんなに嬉しいことわないし
それは、一度それを突きつけられた者でなければ分からないことだ!
バカメ! !
声→『藤田さんって、赤ん坊好きなのね!』
……とゆうこともないが。
やはり誰でも自分の子供を持ちたいと思うさ!
『藤田さんは、お父さんの味を知らないのよ。 だからあんなに結婚生活にあこがれるのね』
『何だ、そうだったのか!~~ でもやっぱりあんなにメメしい人はイヤだわ!』
‥その後の彼女の気持ちの変化は分からない。
どうなったのか分からない。
しかし、とにかく、どうコロぼうとも、早目に一度病院へ行って、完全に治す治療法を聞いて、何としても治さなければならない。
・ ・ ・ ・ ・ ・
彼 あ 彼 し
女 れ 女 か
達 は の し
で 確 こ な
は か と ぁ
な に で │
い あ │
か る
と が
:
疲 こ 思 な
労 の う か
で 頃 の っ
だ た
視 と が か
力 ん と
が と
た 見 ハ お
ぶ え ッ と
ん な キ ろ
そ か リ え
う っ と て
だ た は
と が
通 知 そ 思
り ら れ う
過 ん で が
ご ぷ ま
し り た
て し
し て
ま
っ
た
・ ・ ・ ・ ・ ・
これじゃ、とても話し合うキッカケなどつくれやしない!
などと、これから先の出来事が思いやられる。
これからどうなっていくのか!?
いつ完全に終止符をうてる日がくるのか?
まだ見当もつかない。
早く終わらせたいと思うのだが………!
・ ・ ・ ・ ・ ・
色んな事があったような気がする。
そして、もうこれで時は熟したのではないかと思う。
別にやる前には、こんな思い出を残そうと思ってしてきたことではないが
しかし、過ぎてみれば実に懐かしく、いい思い出が一杯出来た。
一生の思い出が……。
もうこれで何も思い残すことはない。
今は、今までの事を思い返して感慨にふけっている。しばらくこれにひたっていたい。
もし、今、感じていることが本当だとしたら、今度こそ三度目の正直である。
またアタックしてみなければならない。
それで彼女が逃げでもしたら、もうそれで全てが終わることになる
……と思う。
もう今は、お金がなくなった。
今の気持ちでは、とても、もうここにとどまっている気にはならない。
お金さえあれば、もうすぐにでも田舎へ帰りたい気持ちだけど
それがなく、どうにも今月一杯は居なければならない。
この先、事がどう発展していこうと、今月一杯は居なければならない。
結末が悲しいことにでもなったら、今まで居てやってきたこと
また、これから月末まで居ることが、実に馬鹿馬鹿しく思える。
何の為にこれまで色んなことに耐えてきたとゆうのか。
自分に超能力があるといい、それで彼女の心を見透かして裏をかいて、ひっかけようとしていた?……と、
皆……
もう彼女も思っている。
もうこれ以上、何をやっても全て芝居とゆうことで受け止められる。
どんなに本心を表しても、全て彼女をひっかけるため、彼女の気を引こうと裏をかいているとゆうふうに受け止められる。
もうこうなったら処置なしである。
もう自分にはどうすることも出来ない。
今後のことは、全て彼女の信頼だけにかかっている。
またこのように書いていることも、前述のように受け止めていることだろう。
実に腹立たしい。
馬鹿馬鹿しい。
俺の感じによれば、もう今度こそ終止符がうたれたと思った。
事が成立したことを知ってから、もう何も迷うことわない
これからの事だけを考えて良いことだと思って、帰るまで色々二人の将来の生活を思いめぐらしていた。
あとわずかで……。
5時で帰ったら、全ての事が解決されると思い、その時刻を待ち望んでいた。
人の言によれば、彼女は今日ズッと俺の部屋に居るとなっていた。
また昼間、俺の部屋に入ってアルバムや、その他の事を見たと聞いている。
そこまでしていながら、この仕打ちはいったいどうゆう事なのか !?
5時で切り上げていれば、こんなことにはならなかったものと思う。
あの仕事さえ押し付けられずに、5時で帰っていれば、このようなことはなかったと思う。
俺もあんな仕事ほったらかして、飛んで帰りたい気持ちだった。
帰るまでに何とか気が変わらないでいてくれと‥
胸をかきむしる思いであせって仕事をしていた。
心は彼女の方に飛んでいながら……。
・ ・ ・ ・ ・ ・
もうこれで全て終わりなのだろうか!?
あそこまでいっていながら。
それに比べて、今の状態は何とお粗末な、悲しいものだろう……。
彼女に本当の気持ちがなかったのか? …
それとも、いたたまれず、無意識的に逃げ出してしまったのだろうか?…。
そして全てこれで終わりになるのだろうか?…。
もう全てが芝居としてしか受け止められない…。
芝居かどうか?
どうして自分の胸に飛び込んで来て、確かめようとしないのか…。
そうしてみなければ事の真相は分からないでわないか…。
フフフ…
もう何を言っても……
今はもう自分には成す術がない!




