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第2話 最初の蘇生で、俺のレベルが大幅に下がった

※第2話は

災厄描写、蘇生描写を含みますので。

苦手な方はご注意ください。

 王都を出て3日目が過ぎ、ようやく村に着いたものの、目の前に現れたのは助けを求める村娘、そしてそれを追いかけるオークだった。


 俺はすかさず剣を抜き構える、オークが単独で村を襲うことはあり得ない、絶対に群れで来ているはずだ、俺は村娘に向かっていこうとするオーク対して叫ぶ


「おい、ブタ野郎! その首の上に乗っているのは、糞の詰った皮袋か!? 」


とオークを挑発するとオークはまんまと俺の方に向かってきた


「リリア! 彼女を頼む! 俺はオークたちを片付ける! 」


「承知しましたわ! ご武運を! 」


そう言って俺にアーマープロテクションと言う防御力アップの呪文をかけて、村娘をかばうように立ちはだかると右手を天にかざして呪文を唱えた。


「ホーリーヴェール! 」


そう唱えると5、6人ぐらいは入れそうな光のドームが二人を包んだ


「この結界はオーク程度では傷ひとつ、つけられませんわよ! 」


これで後顧の憂いは無い、俺は目の前のオークを切り捨てると前へ前へと進んでいった、辺りはもう悲惨なものだ、オーク以外は人間の死体しかない。


「グアアアォォォ! 」


次々と襲い掛かるオークを切り捨てる、突進してくるデカ物もいたが


「どっ……こいせっ! 」


相手の勢いを利用して投げ飛ばし


「アイスランス」


氷の槍で串刺しにした。


 あらかたオークどもを片付けた後、俺は周囲を見渡す。

オークどもの遺体以外は村人の遺体と武器として使ったであろう農具が散乱していた


「コイツは酷いな」


 家屋は幸い荒らされてはいなかったが、所々オークによって斬られたと思われる血糊がべったりとついていた、観たところ20、30人ぐらいの小さな村か、しばらく歩くと村のはずれに牧場があった。


「家畜が一匹も居ないな」


 恐らく危険を察知して逃げ出したのだろう、扉の前に遺体があったから彼が扉の鍵を開けて回っていたんだろう、そして振り返った瞬間


「グアアア、ニンゲンコロス! 」


 不意に何かが目の前に現れた、さっき倒したオークの何十倍もデカい、ひょっとしてコイツがボスか?


「テメエがこの群れのボスか?」


そう問いかけると意外にも返事が返ってきた、やはり知能は高いらしい。


「ソウダ! オレハオークノオウ、オークキングダ! ブカノカタキ!カクゴシロ! 」


 そういってバカでかい棍棒を俺に向かって振り下ろして襲い掛かる、が遅すぎる動きに欠伸をしながら避けて剣を振って棍棒を斬る、神様から貰った装備品は一見すると只の質の良い片手剣なんだが、滅茶苦茶切れ味が良い、しかし彼我の戦力差が判らないのか


「ブキイイイイィィ、チョコマカトニゲルナ!ヒキョウモノ! 」


前言撤回、コイツはやっぱりオークだ


「ファイヤーボール」


 サッカーボール大の火の玉が真っ直ぐ向かいオークキングに直撃、その瞬間火柱が上がりオークキングの身体を包み込む! オークキングの装飾は黒焦げの煤になり、オークキングの皮膚を焼いていく


「ギャアアアアアアアアアアアア! 」


 辺りに豚の丸焼きをした時のような、トンテキを調理したときのような臭いが漂う、そしてオークキングは地にひれ伏した。


「そう言えばリリアは?大丈夫だろうか」


そう思い村の入り口まで引き返すと光のドームはまだ健在だった


「リリア! 無事か? 」


その声に反応してリリアは俺の方を向く、光のドームはまだそのままだ


「はい! こちらは大丈夫ですわ! オークの群れは片付きまして? 」


「おう! 周囲にオークみたいな嫌な気配も無い、もう大丈夫だぞ」


俺の言葉にリリアは安堵したのか術を解くと地面に座り込んだ


「良かったですわ、そろそろ結界も……限界でしたから」


リリアの姿に村娘は


「ううっ、グスッ……命を助けて下さり、ありがとうございます。」


と涙を流しながら感謝をしていた

俺はアイテムボックスから回復薬の小瓶とマジックポーションを1本づつとり出して村娘に回復薬を渡し、リリアにはマジックポーションを渡す、二人の回復を待った後に、3人で村の中心へ向かっていった、移動中に村娘から詳しく話を聞くと


「この村は父の村長を中心に30人ほどの村民が暮らす街道沿いの宿場の村で、牧場では馬も飼育しています、ただ、馬と言っても騎乗馬ではなく農耕馬で、農地を耕したり荷物の運搬などに利用する事がほとんどですが。」


と村娘のミナが説明してくれた


「なるほどね、道理で牧場がやたら広いわけだ、所でこの村って宿屋とか道具屋とかあるの? 」


と俺が聞くとミナは


「はい、ここは街道の中継地点にある宿場の村ですので、比較的大きな宿もあるんです、宿屋の1階にも酒場はありますが、少し歩くと旅人が集う大きめの酒場があるんです、ここの酒場の料理は余所でも評判の名物なんですよ、私も幾つか教えて貰って作れるようになりました。」


それを聞いて俺は内心、心が躍った、やっぱり旅と来たら美味い酒に旨い飯、それを実現するためには、ここの村民を完全蘇生する必要があるのだが。


「こういう場合はどうなんだろうな……」


「何かおっしゃいました? 勇者様」


 あ、やべ、100人に満たない場合のペナルティーってどうなるのか、という疑問がフッと沸いて考えていたが、どうやら口に出てしまっていたらしい。


「ああ、いや、何でもない、さて着いたことだし、始めるぞ……」


俺は天に向かって両手を上げて完全蘇生の魔法を使った天から光の柱が現れたと思うと、それは村全体に広がって、周囲の人々が歓喜の声を上げた。


「ああ、やはり勇者様は素晴らしいお方ですわ……」


とうっとりするリリア


「これが……勇者様の力……」


と呆然とするミナ


と、天から俺の頭の中にアナウンスの声が響いた


「今回のペナルティーはありません、復活させた人数は次回に繰り越しとなります」


ああ、無かったことにはならないのね、変なところで細かいなあ……


完全復活で蘇った村長のソウダは深々と頭を下げた


「娘のミナを助けてもらったばかりか、この村を蘇らせて下さり、ありがとうございます! 」


と言ってミナが言っていた大きめの宿屋を案内してくれた、フロントで宿泊代を払おうとしたら店主が出てきてお金を返してきた


「いえいえいえ! 命の恩人からお金なんて取れませんよ! 何もない所ですが、どうぞお寛ぎください。」


 そういって宿屋で一番高い部屋に案内された、と言っても街道沿いの宿場の村とは言え、2人部屋なのだが、まあ入って簡素な机とベッドしかないワンルームの2人部屋とは違い、居間と寝室の二部屋に分かれているのだから、良い部屋なのは間違いない、荷物を置いて窓を開けると下の通りを見渡すことが出来た、村民たちが片付けと、何やら祭りでもやるかのようなテーブルや皿を並べている。


「おお、結構人が居たんだなー、しかし何か祭りでもやるのかな? 」


その言葉にリリアは


「もう、何を言っているんですか? ミナの話では村を救った勇者様を歓迎するパーティーを行うそうですわよ? 」


その言葉に正直驚いた


「え? なんで? 別に困っている人を助けただけだよ? 力が有るのなら、そうするのが当然でしょう? 」


その言葉にリリアはやさしく微笑む


「その当たり前を、ちゃんと実行できることが素晴らしい事なんですよ? 」


そう言って俺の手を掴む、心なしかリリアの手が熱っぽい


「リ、リリア? なんか近いよ? 」


じりじりと迫って来るリリア、動揺する俺、伊達に年齢=彼女いない歴じゃないぞ! こんなの緊張するのは当たり前だろ?


「勇者様…… 」


なんか頬を赤らめて段々リリアの顔がさらに迫って来る、俺は覚悟を決めようと目を閉じた……その時、扉をノックする音が聴こえた、お互い驚いて離れると、ドアの向こうからミナの声が聞こえた


「勇者様、リリア様、いらっしゃいますか? ミナです、宴の準備が出来ました、すぐに会場へ御案内致しますので……あの、用意が出来ましたら一階に降りてきてくださいね? 」


そう言ってミナはパタパタと下へ降りていった


「……会場に行こうか」


「ハイ、そうですわね」


こうして村民全員が参加して勇者様御一行の歓迎パーティーが行われた


「ささ、勇者様、村の名物の馬肉の料理でございます」


物凄く良い匂いがする、そして木製のコップにぶどう酒が注がれる、これもいい匂いだ!


「お、この馬肉料理は旨い! そして……んぐ、んぐっプハーーーッ……カーーーッ! 酒が進むうう! 」


ミナはリリアにお酌をしている


「リリア様、守って下さりありがとうございます! 村人たちも凄く感謝しています」


「そんな、私はただ結界を張っただけですわ、本当に頑張ったのは勇者様なんですもの」


そう言ってリリアは謙遜しているがミナは


「そんなことはありません! 結界を張って必死に私を守ってくださるその御姿、まさに聖女様です! 」


熱弁を振るうミナに押され気味のリリア


「そ、そうでしょうか? 」


「そうですよ! 」


 うん、リリアはチョット自己肯定感が低いのでこれぐらいが丁度いいのかもしれない。


 そんな事を考えながらリスの頬袋のように膨らませながら料理を食べ、俺は酒を飲み、皆と騒いだ、そして宴も終わり片づけが始まるとミナは俺たちを部屋まで送ってくれた。


 俺は少々飲み過ぎてしまい、情けないことにミナとリリアの肩を借りて、ようやく部屋までたどり着いたのだった。


ミナはドアの前で俺をリリアに預けて


「水を持って来ますので」


そう言って下へ降りていった


「もう、勇者様、しっかりしてくださいませ」


「うーーぃ、らいじょうぶらにょーぉ……ヒック、ええと、たしかぁ酔いさましのぉ魔法がぁ」


ろれつのまわらない状態で呪文を唱えようとするとリリアに止められた


「勇者様! そのような状態で呪文は危ないですわ、酔いさましなら私がやりますので」


そう言って俺の胸のあたりに掌をかざして呪文を唱える


「キュアポイズン」


 あ、お酒ってやっぱりカテゴリー的には毒なのね、たぶん普段は使わなくって、悪酔いした時限定だろうけど……あ、なんか体が軽くなってきた、視界もはっきりしてきたぞ。


「おお、ろれつも元に戻った……ありがとう、リリア」


俺は素直に感謝を述べるとリリアは人差し指で俺を指さしこういった


「勇者様、羽目を外すのも良いですけど周りの事も考えて下さいね? 」


これは流石に耳が痛い


「はい、すみませんでした……以後、気をつけます」


「はい、良いお返事です」


俺の言葉に笑顔で返すリリア……と、そこにノックの音がする


「ミナです、お水をお持ちしました」


「おお、どうぞ入って来て」


 俺がそう言って促すとドアを開けてミナが入ってきたが……あれ? 宴の時と違って何か露出が多い服を着てないか? ミナの持ってきた水をコップに注ぎ、一口飲んでのどを潤して一呼吸、少し落ち着いたところで、ふと考える、そういえばミナって歳幾つなんだ?


「あら、ミナさん、フフッ……素敵な服ですわね」


「リリアさん、からかわないで下さい……恥ずかしいです」


「あら、恥ずかしがることはありませんわ、とても可愛らしいですわよ」


 リリアはそう言ってミナの服を褒める、改めてミナの姿を見ると、出会った時の村娘スタイルと俺が思っている、落ち着いた色合いのスカートや白のブラウスと茶色のベストではなく、白を基調とした生地の薄い布で全体を覆っていて、現代で言えばネグリジェのような、そんなきわどい服装だった。


「え・・ミナさん? 失礼を承知で聞くけど君って歳幾つ? 」


 ノンデリ全開のこの質問、普通は怒るものだが、ミナはちょっと驚きつつも素直に答える


「あ、えっと……今年で18です」


俺の首がぎゅいんとリリアに向く、目があった瞬間リリアはチョットだけビクッとなった


「リリアは? 」

と聞くと

「私は……19ですわ」


 まじか、俺がいま19歳だから……あーまじか、もっと年下だったら、それを理由に断ろうと思っていたんだが、そもそもどこで着替えて……ああ、そういえば一階に着替える部屋があったな、そこで着替えてきたのか、にしてもよく村長が許したな、などと考えていると、ミナがリリアに何か耳打ちしている

何を話しているんだろう、と言う間もなく俺の身体は寝室に運ばれた


「え? リリア? うわあ! 」


思わず情けない声を上げる俺


そこにピンクのネグリジェ姿のミナ、そしていつの間にか下着姿になっているリリアが迫って来た、二人の眼は完全に捕食者のそれである。


「ちょっ、チョット……待って待って! 好意はもの凄く有り難いんだけど、こういう事はもっと段階を踏んでだね……って、リリア! どこ触ってるの! ミナも息を耳に吹きかけないで――――! 」


「ワタクシ、聖女として今まで、ずう~~~~っと我慢してきましたの、でもある日、神殿で神様から啓示を頂きましたの……神様はこう言いました『聖女は唯一、勇者との逢瀬のみ神は許しを与える、この世界の為に励むが良い』と、ようやくその時が訪れて、わたくし本当に嬉しいですわ」


 あんのクソ神めっ! 敬虔な信徒である一国の王女に対して、なんてことを吹き込みやがる! そうだ、ミナだけでも説得しなければ!


「ミナ、俺は君とは未だそこまで知り合っていない、一時の感情でこんな事は君のお父さんも許さないだろう? だから目を覚まし 」


俺が言い切る前にミナが話始める


「私……お父様に命をかけて守ってくださった勇者様への思いを話しました、そうしたら、お父様は私に優しくこう言ってくれたんです、お前が思うように自由に生きなさい、お前が幸せなら私はどんなことでも受け入れるよ、と」


 おいおい……村長おおおおお!? なに、良いこと言ったみたいな風にまとめちゃってんの? 俺の意思はフル無視なのかいぃ?


「と、そういう訳ですので」


リリアが俺の身体に触れる


「覚悟してくださいね? 」


ミナが甘い吐息を吹きかける


「ちょ、まて、落ち着け! 話せばわかる! 」


俺の記憶はそこで途切れている…そして俺は、めでたく童貞を卒業した。

翌朝、何か妙に腰が痛いなあと思いながら起き上がると、天の声が頭に響いた


「二人の異性とのまぐわいを10回行いましたので、そのペナルティーとして20レベルを上限と共にダウンします、現在のレベルは7979レベルです」


え、俺ってこんなに絶倫だったっけ? そう思っていたら天の声がまた聞こえた


「なお、勇者は転移の特典としてスキル「絶倫」を獲得しています、今後も素晴らしい異世界ライフを楽しんでください」


 こんのっクソ神イイイィィィ! 魔王を倒したら絶対、一発ぶん殴ってやる! ちくしょおおおおおおおおおお!


そして遥か後の伝承にて勇者の日記にはこう書かれている


「母さん、僕は見果てぬ異世界の地で一つ大人になれました、でも、女性があんなに恐ろしいものだとは夢にも思いませんでした」


翌日、自分の謎の腰の痛みは回復魔法のヒールで治し、本来の目的である魔王の居城に関する情報を集めるために、しばらく滞在する事にしたのだが、酒場で出会った行商人から興味深い情報を得た、何でもこの村周辺にある森には深夜にしか出没しない、珍しいスライムが現れるというが、俺の記憶が確かならばダンジョン物のスライムは体内の消化液で冒険者を溶かす危険な魔物だが、行商人の話では


「いやいや、スライムは不定形の透明な内臓と少し厚めの透明な皮で構成されていて、体内に存在する核を破壊すると倒せるような脆弱な魔物ですよ」


という事らしい、その話だけならば、そういうモノなのかと思っていたが、さらに行商人は興味深いことを話した


「何でも、その深夜限定で現れる《夜スライム》を倒すとかなりの高確率で数字の刻印された石を落とすらしいんですよ、私も実物は見た事はありませんが、神話の歴史に詳しい知人の話だと、その石は天聖石と言って、勇者の力を高める効果があるらしいと聞いていますよ」


この話が本当なら、試す価値はありそうだ


第2話では、

この作品の根幹である「レベルダウン」が

実際にどれほど重いものかを描きました。


ここから先は、

力を使うか、温存するか、

常に選択を迫られる物語になります。


次話からは、

少しずつ“仲間”と“日常”が増えていきます。

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