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女神の祝福なんて知らない。  作者: 雷鳥文庫


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プロローグ ここは女神が作った国。

新連載です。宜しくお願いします。

私の作品の中ではシリアスです。

 リンデ国は女神に愛された国。

国の成り立ちをみんな小さい頃から聞かされて育つのだ。


昔、女神が天から小さな島に降り立ち、ひとりの若者に恋をしたのだと。

「貴方と私の国を作りましょうね。」


島の真ん中に立つ女神。



しゃらん。

女神の手から腕輪が落ちる。


しゅううう。

そのまま、さざなみのように腕輪が広がっていき、円は広がり大地となる。

世界の果てまでも。

その円の外は海原が広がり、その先は滝のように落ちていくのだと。

小さな島は巨大な丸い大陸となった。


そして風が吹き、草が生え、木が生えた。作物は実り鳥はさえずる。

中心に土地が盛りあがり、小高い山が出来て、その裾野から四方に川が流れる。


川が大地を割っていく。四分割に。

「ふふふ。綺麗な花のよう。ねえ、真ん中にまんまるの国。

まわりに花びらのような四つの国。

この山の上に私達が住むお城を建てましょうね?そしてまわりを見守るの。」


東西南北。


まるでクローバーの四つ葉のように。四つの国の大きさは全く変わらず。


その造形はやはりひとの手によるものとは思えない完璧な形だ。



人々は神の技だと恐れ慄いた。


「美しい。私の国。」

女神は微笑んだ。紫色の瞳と白銀の髪をなびかせて。

その髪は七色の光沢を持ち、虹色に光ったのだと。

「私の子孫、私の化身。

私と同じ色を持つ娘がこれから王の血筋に現れるでしょう。

私が貴女に嫁いだ十九歳になった時。その姿は現れる。

…彼女がいるだけでこの国は平和で栄えるでしょう。」



それがこの国の成り立ちと女神伝説である。




 真ん中の円状の中央部分を…通らなければ、南から北、または西や東にも行けない。境目に川が流れていることもあるが、森や険しい岩山が出来て隔てられているからだ。


中央の土地は栄えた。

文化や流通の中心であり、他所の地方に行く門であり。

富が集まり、珍しい品が集まり、人も集まった。


 そのうちに中央の土地が王を立て、女神の名前のリンデ国を名乗った。

他はみな南国(なんごく)、北国(ほっこく)東国(とうごく)、西国(さいこく)とそのままの名前で呼ばれるようになった。


それぞれの王をいだきながら。



女神が言ったことは嘘ではなかった。

本当に女神の直系であるリンデ国に、時々女神の姿を模した姫が現れたという。


その少女が十九になった時。


なんの魔法か、一夜にして女神と同じ色の髪と目の色に変わるのだと。


リンデ国に残された肖像画には今まで9人の王家の姫が女神の化身となった姿が描かれている。

透き通る白銀の髪と、紫色の目をした娘達。


彼女達はそ(・)の(・)土(・)地(・)に繁栄と平和をもたらした。


…だから、東西南北の国は王家の姫を貰い受けたいと願ったのである。



最後に生まれた女神の化身から二百年。


もうそれも御伽噺では無いか、と言われ始めている。



誰もそんな女神の化身の姫を、その目で見た事が無いのだから。





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