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与えられる対価
「どういうことだ」
俺はとっさに校長に問う。そもそもとして俺たちが学校を離れた理由は…
「こちらからお前に対価を支払うと言ったんだ。それを条件にこちら側で動いてほしい。あいにくと人が抜けて人手不足でな」
学校側の事情は知っている。あれだけ能力者から無能力者を守ってきた学校の信用が今崩れ去りそうになっている事は今朝のニュースを見ればわかる。ネットでもあらゆる憶測が飛び交っていた。
「今までのように犯罪者に対しての抑止力が消えてしまえば…きっと今まで以上に犯罪は増えるだろう」
その校長の言葉に俺は言う。
「対価しだいだ」
「俺ができることはもう1度、お前の力に関する記憶をすべて消去することだ。だがあくまでこの学校の生徒のみだがな」
「………考えさせてくれ………」
俺は今までの状況を整理する。
まず学校に裏切り者が出た。そしてその裏切り者の中にあの「戒魔」たちは含まれていた。つまり学校側につけば行動は制限されるがあいつらに関する情報の大きさは圧倒的だ。
「メリットはあるか…」
後ろでネアがぼそりと呟く。
「ああ…どうやら奴らも俺たちが学校側に入ってほしくはないようだしな」
俺がそう言った瞬間、校長室のドアが勢いよく開く。
「よお…久しぶりだな…戒魔」
「ええ…久ぶりですね」
そこには拳銃を構えにやりと笑う元Xクラスがそこにいた。




