第9話 レベル
午後からも新しい罠を作ったり、獲物が見つかれば狩り、兎に角日中森の中にいる。
「チッ!ネズミが掛かってるぞ」
サカは仕掛けからネズミを取りだし。
「罠用の餌にするか」
俺達の狙いは、ボア・ディア・コカトリスなど大物狙いである。
カーラは切株に腰を掛けキセルを吹かして、何もしないで見ているだけだ。
そんな日々が3日程続いた。
時は来た!
相手は雄のボア体格も申し分はない。
俺達の作戦は完璧だ。
俺が獲物を挑発し落とし穴に誘導する。
サカとルダは後ろから追い立てる。
落とし穴に落として急所を槍でひと突きだ素晴らしい。
俺達は位置に着いたのを確認し、俺が獲物の前に立つボアは俺を認識したのを確認し俺は罠に向かって走り始める、ボアが俺を追い始めるサカとルダはボアを追い立てる。
計画通りだ!俺は落とし穴の手前でジャンプその勢いを利用しスライディングして止まる。
決まった!と思ったボアは俺の予想より飛び上がり落とし穴を超えて、俺の目の前に飛んで来た、俺は咄嗟に身体を右に傾けて回避行動をとった、その瞬間ボアの首もとに矢が刺さったのが見えた瞬間、もう一本の矢が刺さったボアは空中で身体をくねらせた俺は咄嗟に腰からナイフを取り出しボアの首元に切り刻む。
「浅い!」
「避けろ」
叫びながらサカがボアの頭を目掛け槍を構えて飛んで来た。
グチャ
槍が頭に刺さってボアは絶滅した。
その瞬間、俺の頭の中から『タラリラッタッター』と音がした。
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種族 亜人 ゴブリン族
名前 ドン 16歳
Lv6 (UP)
MP 6/8 (UP)
攻撃力 G
守備力 G
体力 F
素早さ G
魔力 G
…
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「レベルが上がった!」
俺は手を広げて叫んだ。
「俺も上がったぞ!」
サカも言う。
俺はこの世界にゲームの様なレベルシステムがある事に興奮した。
「ドンはレベル幾つになった」
「6だ!」
「俺は7になった」
「二人ともいいな」
「ルダもすぐに上がるさ」
俺達が話していると、カーラは馴れた手付きでボアの腹をナイフで裂き内臓など足の早そうな臓器を切り分け落とし穴の中に捨てて行く、俺達はその手際の良さに見とれていた。
魔石を取り出すと魔石を太陽の光りに当て輝きを覗き見ている、彼女は今まで見せたことの無い笑顔であった。
「カーラさっきは助かった、ありがとう」
カーラは笑顔で俺を見ながら親指を立てハンドサインを送ってくれた。
「後は頼む!」
カーラは魔石を持って倒れ木の上に腰掛ける。
俺は思ったカーラは指導者と言うよりプレイヤーなのだ。その日から俺達は彼女に尊敬を込める様に話掛ける様になった。