第63話 護衛 2
魔道汽車はグランガーデンから200km離れたへーべに向かい草原の中を掛け走る。歩きで向かうと2週間は掛かるのが、魔道汽車なら経った6時間で着くのだ。まさに夢の乗り物である。
ジャ・フロー王国は大きな大国で、かつてはローバー大陸の中央を納めるジャ・フロー王朝と言う一時代を築いた歴史の古い国であった。又、ジャ家とスロー家の2家の王家が交合に王位に着き政を行う王国である。
俺達が向かうへーべは主に小麦の生産と宿場町など近隣の領地の領都として栄えた町である。
俺達は魔道汽車の2等車に乗り快適な旅をしていた、勿論護衛としてである。
メルとミラミはマルガと打ち解け合いずっと3人はお喋りを続けていた。女子が3人寄ればカシマシと言うが正にその通りだ。
「あのー、メルさん、ミラミさん、我々は一応護衛なんで余りお喋りは控えた方が宜しいのでは?」
「あー!」
何故睨まれるのか、サカは寝たふり、トマスさんは笑顔を崩さず、まるで俺が悪いみたいじゃないか。そんなこんなで魔道汽車の旅は順調であった。
昼になり魔道汽車は、草原の駅で停車した。駅には何処からか集まって来た人々が弁当を売っていた。魔道汽車は予定通り、この駅で水を補充するのだ。車内にいた人達は暫しの休憩とあって車内から表に出て、背伸びをしたり弁当を買って食べたりしていた。
「サカ気付けろ」
「分かってる」
もし、古地図を狙う奴等がいたとした場合、今が一番のチャンスだろう。俺達は警戒して辺りの人々を見ていのだが何事も起こらず魔道汽車は出発した。思い過ごしだったのか、俺は少し気が緩んだ。
それから1時間程経った頃、俺達の前で男が荷物を落とした。
「すいません」
男は頭を下げて申し訳なさそうに言った、俺が荷物を取って渡そうとした時だった。頭を下げていた男はトマスさんの足元に合った地図の額を取って、窓の外に投げたのだ。一瞬の出来事に皆が固まっていた。
俺は男を押さえつけた、もがく男は俺を振り切って車両の後ろへ走って行く、サカが追いかけて行く。
「メル、ミラミ此処は任せた」
「解った!」
俺も後を追って最終車両まで男を追い詰めた、窓から魔道汽車と平行して走る馬が見え。
男はナイフを持ち乗客の1人を人質にとった。
「来るな、こいつがどうなってもいいのか」
「分かった、落ち着け、何もしない」
サカは男をなだめようと言った。男は俺達に離れる様に言うと、最終車両のデッキに出て馬で走って来た仲間の馬に飛び移った。
デッキに出て俺とサカは何も出来ず遠ざかる賊を見守るしかなかった。人質に成った人を介助していると車掌が来て状況を説明した。
賊の狙いは、古地図だった事が分かった。昨日トマスさんを送りに家に行った時に、俺は機転を効かせて、額に入った古地図と俺の地図を差し替えて置いたのだ。賊がそれに築くのが遅れる事を祈りながら魔道汽車に揺られていた。
「本当に古地図が狙いだったとは」
トマスは不安に成っている様であった。
「お父さん」
「心配いらないよ、ドン君達に任せて良かった」




