第61話 地図
衛兵が到着し捕獲していた2人を衛兵に引き渡し、現場の状況を説明してから俺とリベリオと一部始終見ていた警備員は衛兵の詰所へ向かった。
「すみませんね、わざわざ」
「いえ、しょうがありません」
俺とリベリオは現場で起きた事の説明をもう一度した。
「決まり何ですみません」
役所仕事とは手間が掛かるものである。暫くするとボスが現れた。俺達も解放され、気付けば夜の9時位に成っていた。ボスの知り合いのバーに行き無理を言って夕食にありつけた、その後帰路に着いたのだ。流石に俺もリベリオも疲れていたのか、その日は寝た。
翌朝メルとミラミから昨日のオークションに付いての話しをさせられた、オークションで得た金は既にサカと山分けしている。事務所に行く途中で借りたタキシードを返すのだが、ズボンの尻を破いた俺の保証金、銀貨1枚は返ってこなかった。
事務所に付くなり、ボスに呼ばれ俺とリベリオはボスの部屋に行った。
「失礼します」
「うん、来たか」
ボスの部屋に入ると、昨日襲われた男性と女性がソファに座っていた。
「昨日は助けて頂き有り難う御座います」
丁寧にお辞儀する2人、男の腕は包帯を巻かれていた。
「お怪我の具合はいかがですか」
リベリオはお辞儀する男性を心配してそう言った。
「ええ、幸い傷は浅かったので、無理をしなければ動く事が出来ます」
男性はトマス(羊の亜人)と名乗り隣にいる娘マルガ(羊の亜人)と親子でバイヤーをやっていると言った。今回は依頼を受けてオークションに参加し予算内で目当ての物を落札出来たそうだ。その帰りに襲われたのが只の偶然か、それとも落札した物が狙いなのか分らないと言う。
「成る程、で落札した物は何なんですか」
俺は落札した物が何かヒントになるのではないと思い聞いてみた。
「ええ、物は古い地図なんですが、ジャ・フローのへーべと言う町の元領主様からの依頼でして、落札した金額は金貨8枚(80万円)位の物なのですが、それを狙って襲う程の物では無いと思って折ります」
確かにトマスさんの言う通り、金貨8枚で買える物を狙うにはリスクは高い様に思えた。
「その地図、気になるな」
ボスは顎に手を当てながら言った。
「地図は今から500年前のジャ・フロー王朝時代の物でして、確かに貴重と言えば貴重品ですな、元領主様は歴史的に価値が在ると言って折りました」
「うん、で、それを持ってへーべまで行かれるんですか」
「ええ、勿論ですよ」
「どうだろう、こんな形とは言え知り会ったんだ、護衛を着けてみないか」
「いえいえ、私どもは親子でやっている様なバイヤーで御座います、護衛を着ける程の余裕は御座いりません」
「だが、命が関わるかも知れんぞ」
そう言われたトマスは少し考えている。
「なあドン、お前ジャ・フローに行きたいんだろ、どうだトマス殿の護衛として行ってみたら」
成る程、これはチャンスだ!
「ボス、サカ達と相談させてくれ」
俺は席を立ち隣の部屋に向かった。
丁度サカとメルとミラミは応接室で宝石を磨いていた。
「サカ、いや皆聞いてくれ」
俺は事の成り行きを説明した。サカは立ち上がり。
「行こう!」
即答した。サカが行くならメルは付いて来るのは分かる、問題はミラミだ、ミラミはリベリオの下で一番商人として活躍していた、事実ミラミは商人として才能が在るのだろう。
「ミラミ、お前は此処に残ってリベリオの手伝いをしても、構わないんだぞ」
ミラミは少し考え。
「でも、みんなが行くなら私も行くよ」
「本当にそれでいいのか、お前には商人の才能が在るんだぞ」
「私はみんながいるから頑張って来れた、それに私も森の戦士だ」
「いいんだな」
「うん」




